トランスジェンダーの旗手、作家・蔦森樹(つたもりたつる)さん
のレクチャーに行った。彼は20代まで、髭をたくわえ、180cm
を超える長身でナナハンにまたがり、女性と結婚し、一人の男性
として暮らしてきた。ところが、「女性として生きたい」と表明した
のが15年前。
ミニのスーツにハイヒールという現在の装いは、武装ではなく、
喜びの表現だ。彼を見慣れてくると、なかなかの美人にも思わ
れてくるから不思議だ(笑)。
何て柔らかな雰囲気の人なんだろ? 男でもなく、女でもなく、
私らしさを求めてきた蔦森さんは、人の数だけ性はあるという。
全て個性なのだ!
静かに語りかけてくる彼女の声は、私の心にズシンズシン響いて
くる。そして、既成概念にコリ固まった私の頭を、少しずつ揉みほ
ぐしてくれるようだ。本当に自然体で、ステキな人なんだよね。
もっともっと、蔦森さんの事が知りたくなったので、レクチャーの
帰りに、早速本屋に寄って、著作の取り寄せを頼んだ。表現
方法に違いはあれど、“空庵”の行き着くところも「個」の世界だ。
つまりI Love Meなんだよね。これからも蔦森樹さんに注目したい。