先週から早く帰れない=PCを開けられない日が多く、ほとんど外食続きだった。
夜も遅いと、ゴハンというよりは、どうしても麺類、それも今の季節は“冷し
中華”にハマる私。毎年好例、夏の甘~い誘惑だ。あの某チェーン店の夜風に
はためく青い幟には逆らえない。
冷し中華は胡麻だれより、やはり正統派の醤油味、と思いつつ少しは食べた
いんだよ。なぜ、ハーフ&ハーフやミニセットがないのか? 本気(と書いて
マジと読む(笑))で、お客様相談室に電話しようと思いつつ、いつの間にか
秋風が吹いて、メニューから消えていく冷し中華。フッ、儚い命だぜ。
深夜営業の店を見る度に、雇用の機会を増やしたという見方もできるが、誰か
の便利は、誰かの犠牲の上に成り立っていると言わざる得ない。どこか悲哀が
漂うと感じるのは私だけだろうか? それに、外国人スタッフの多い事多い事。
そんな彼らを見る度、思い出す出来事がある。
San Diegoにいた頃、ルームメイトのJonと深夜、よくコーヒーを飲みに出かけた。
私が住んでいた北西部のLa Jollaは治安の良い地域とはいえ、ここはアメリカ・
カリフォルニア州。深夜に外出するというのは、とってもとっても緊張する。
何かあれば間違いなく自己選択・自己責任だ。反論の余地はない。
だが9歳年上で、空手の黒帯を持つJonは一向にお構いなしで、思いっきり道路
を横切り、明け方まで営業しているカフェに向かう。San Diegoの最初の3ヶ月間
は白人家庭でのホーム・ステイだったが、それ以降は1軒家を3人(←時々、それ
ぞれの事情で4~5人(笑))でシェアしていた。ガードマン(←ミョ~な奴だった)
+プール+テニスコートまで付いて、一人月額420~30ドルぐらいだったような。
その地域の唯一のアジア人女性が私だった。
Jonはお酒も甘い物も大好きで、深夜のカフェではお互いケーキセットを頼んだ。
夜風に当たりながら、パラソルの下で待っていると、Jonが「彼らは遅くまで
働いて大変だね。できればチップをあげた方が・・・ネッ」と、いかにもアメ
リカ人っぽいジェスチャー(←と私が勝手に思っているのだが)をした。
私はアメリカでの生活にもなじんで、レストランでのチップもすっかり習慣に
なっていたが、カフェでは日本のようにおつりをキッチリもらっていた。Jonに
言われてハッとした。そうだ、こうやって私が深夜においしいコーヒーが飲める
のも、彼らが働いてくれてるおかげなんだ。これは当たり前じゃない。感謝しな
きゃ! この気持ちを世界中、どこにいても忘れてはいけない。
経営者とおぼしきインド人のおじさんがケーキセットを運んで来た。最後に2人
で1ドルずつチップを手渡す。すると、おじさんの顔がパッと明るくなり、満面
の笑顔で「Thank you!」と受け取った。そして、私達も「Thank you!」と
笑顔で返す。私は今でもこの時の情景が忘れられない。
チップが常識のアメリカ社会でも、こういう思いやりの気持ちを持つ人が少ない
んだろうなぁ。たかが1ドル、されど1ドル。おかげで超ステキなミッドナイト・
カフェを楽しむ事ができた。さすがはJonだ。教えてくれて本当にありがとう。
あなたは史上最強、且つ最高のFunky&Cleverルームメイトだったよ!