派遣社員の女性A子さんは37歳。
1年毎の契約が見直され、
半年ごとの契約となっていました。
今年こそ幸せな結婚がしたい。
30代で結婚すれば、
妊娠だってまだ間に合う。
結婚しても仕事は続け、
もし子供ができたら保育園に預けて、
近所でパートをしようと漠然と考えていました。
結婚相談所は何となく避け、
婚活パーティーには積極的に参加していましたが、
なかなか良いパートナーには恵まれず、
肉体的にも精神的にも疲弊していました。
そんなある日、
婚活パーティーで同じく疲弊している
38歳の男性B男さんと奇跡的に出会って意気投合。
お互い愚痴や不平不満が溜まっていた事もあり、
帰りに軽く飲む事になりました。
気がつけばあっという間の3時間。
お酒に酔った勢いもあり、
最後はLINEを交換して、
そこからやりとりが始まります。
B男さんから飲みに誘う事もあれば、
A子さんから食事に誘ったりとほぼ毎週、
2人で過ごす時間がありました。
傍目からはアラフォーの仲良しカップルに見え、
会話も自然と弾むので、A子さんはだんだん
「B男さんは神様がくれた運命の人かも!」
と思うようになりました。
そして迎えたA子さんの38歳の誕生日。
B男さんとお祝いし、
酔ったフリをしてわざとに終電を逃しました。
なんとなく肩にもたれかかったりと
いい雰囲気にはなりましたが、
それ以上は進まず、結局別々のタクシーに
乗って帰る事となりました。
A子さんにとっては大きな期待外れでしたが、
その後もB男さんを誘っては飲みに行っていました。
ある日、B男さんが大好きな焼酎が置いて
ある店で約束をしていたのですが、
「急な仕事の都合でどうしても
行けなくなってしまいました。すみません」
というLINEが入ってきました。
こんな事は初めてでしたが、
「ムリしなくていいですよ。
お仕事頑張って下さいね」
というLINEを返しました。
ただその後、
プッツリとB男さんから連絡がなくなり、
LINEも既読スルー。
そしてB男さんが好きな焼酎のお店の
facebookに、マスターからこんな
コメントがありました。
「B男さん、土曜のパーティーの子どうなりました?」
えっ?土曜ってあのドタキャンされた日?
急な仕事じゃなかったの?
A子さんは胸がドキドキしてきました。
すると
「マスター、やっぱ10コ下だと気を遣う事も多くて」
とB男さんのコメントが・・・
10コ下って、相手の女性は28歳?
「LINEは交換したんだけど、
まだ誘えてなくて。
マスターのお店に連れて行こうかな。
とにかく頑張ります!」
A子さんはここで初めて、
フラれた事に気がつきました。
「そっか、私はただの繋ぎどころか、
単なる飲み友達だったんだ。
もしこのfacebookのコメントを
読んでいなかったら、
まだ脳天気にB男さんをデートに誘っていたんだ!」
その現実を突きつけられた瞬間、
目の前が真っ暗になり、
悲しさと怒りと屈辱感でいっぱいになりました。
様々な感情が複雑に絡み合い、
やはり裏切られたというショックが消えません。
私だけがこんなに苦しく辛い思いをして・・・
もう2度と婚活はしない。
わなわなと体が震え始め、
その勢いでB男さんのLINEと
facebookも全てブロックしてしまいました。
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千年を生きた黄金の魔女が言った。
「女の傷つけ方は3つある。
1つは刃物で傷つける。
1つは心を傷つける。
そして3つ目は期待を裏切る、だ。
最後が一番難しく、
一番効果的に傷つけられる。
なのに意識せずして傷つけられる」
そこで私は「ゲシュタルトの祈り」
を思い出していた。
「私は私のために生きる。
あなたはあなたのために生きる。
私は何もあなたの期待に応えるために、
この世に生きている訳じゃない。
そして、あなたも私の期待に応えるために、
この世にいる訳じゃない。
私は私。あなたはあなた。
でも、偶然が私達を出会わせるなら、
それは素敵なことだ。
たとえ出会えなくても、
それもまた同じように素晴らしいことだ」
2020年「恋つづ」の裏側で・・・
無数の非「恋つづ」に祈りをこめて
冒頭がちょこっとだけ切れてしまって
申し訳ありませんがm(_ _)m
こちらが↓↓↓プロローグの動画です。