私が使う「きざし」は「兆し」の方で、
「萌し」という字を使った事がなかった。
「兆し」と「萌し」は、ネットの英訳だと
「signs, omen, symptoms」などと出てくるが、
実は2つの漢字の違いには、深い意味が潜んでいる。
それを知ったのは、「易経」を読んでからだ。
東洋占術を学んだ先生の「易経はもう20年以上、
読んでいますが」というセリフに、
同じ本を20年も読み続けられるのか、と驚愕した。
当時はまだ、
古典を読む=「タテの読書」
を知らなかった私なんだから、
理解できなくて当然だろう。
「易経」は、単なる占いのハウツー本ではなく、
「The Book of Changes」と英訳された、
「変化の書」だ。
ここ最近「易経」のような古典は、
読めば読むほど味が出るスルメ本で、
その奥深さが少しはわかる“お年頃”になってきた(笑)。
そして
「萌しには気づけても、兆しには気がつかない」
自分がいて、2018年はこれがテーマになるな、
と直感した。
「萌し」というのは、
例えばだんだん暖かくなって、
梅のつぼみが膨らんでくれば、
誰もが春の訪れを実感できる。
まさに「Signs of Spring」でわかりやすい。
重要なのは「兆し」で、
例えば12月の冬至の日から、
陽が長くなってくるため、
少しずつ春に向かっている。
だが、二十四節気でいう小寒、
大寒の1月が過ぎ、2月の立春を経て、
そこから少~しずつ暖かくなっていくので、
春はなかなかわからない。これを易経では、
「目に見えない本質的転換」=兆し
と呼び、冬至から“流れ”が変わって
いる事に気づきなさい、と教えるのだ。
これは自然現象に限らず、
ビジネスの世界も同じで、
「あれ、去年あった仕事がなくなってるぞ」とか、
「もう電話がかかってきても良い頃なのに、
音沙汰なしだ」とか、「全く知らない会社から、
オファーがきてる」など、流れが変わる時は、
出会いと別れのクロスロードでもある。
その度、次の手を打ちなさい。
いや、もう少し様子を見なさい。
ここで、積極的に攻めに転じなさい、など、
心に湧き上がる変化の声は目まぐるしい。
気射し、期刺し、機指し・・・
造語も次々に浮かんでくる。
去年から、いや、もっと前から
「兆し」はあったはずなのだ。
「萌し」になってからでは遅いんだよ、
と易経センセイが私に語りかけてくる。
気づけよ、未空彡(-_-;)彡
先日、裏六本木で新しい仕事の打ち合わせがあり、
新しいビルで、新しい方とお会いした。
ぬるま湯にどっぷり浸っていた自分に、
少しは冷水を浴びせないとね(笑)。
考えてみれば、ここ1年くらいは試練も多く、
お初の体験もたくさんしたが、
終わってみれば、起こった事は全て正しいし、
結局は一番良い方に導かれている。
それは苦しい時や辛い時、迷った時ほど
「目の前の事に集中する!」
と決め、実践してきたから←自画自賛(笑)。
「萌し」のもっともっと、
ずーっと前の「兆し」に敏感になろう。
意識しよう。私のスルメ本「易経」センセイ、
これからも4946(笑)