19世紀後半のイギリス美術を代表するエドワード・バーン・ジョーンズの
個展が開催されているのを知ったのは、浅草橋の帰り、秋葉原駅で見た
広告だった。私はポストカードを何枚か持っているが、まだ本物を見た事
はなく、会場の三菱一号館美術館も、足を踏み入れた事がなかった。
展示会サイトの説明によれば、「『夢の国』に住む一番素敵な若者の一人」
時代の寵児、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティにそう云わしめた気鋭の画家、
エドワード・バーン・ジョーンズ(1833~1898)は、イギリスの工業都市
バーミンガムで、額縁職人の子として生まれた。
オックスフォード大学において、生涯の友ウィリアム・モリスと出会い、
1861年にはアーツ・アンド・クラフツ運動の起点となる共同事業を創始
する。そして19世紀末には、その詩情にみちた静謐な画風によって、
ヴィクトリア朝絵画の頂点を極めた。
しかし、バーン=ジョーンズの活動については、これまでラファエロ前派
やモリス商会との関わりから注目される事が多く、その全体像が十分に
把握されてきたとはいえない。
聖職を目指していたバーン・ジョーンズが、芸術の道を志そうと決めたのは、
モリスと北フランスの大聖堂を巡った1855年の事。翌年、大学を去った
バーン・ジョーンズは、前衛芸術家として知られるロセッティに弟子入りし、
美術批評家ジョン・ラスキンの導きで、イタリア美術を学ぶ。
生来の才能を開花させて、唯一無二の装飾デザイナーとしてモリスの
活動を支える一方で、自身の絵画制作においては、装飾性と象徴性
を併せ持つ独自の様式を確立した。
唯美主義運動を推し進め、象徴主義絵画の先駆けとなったその精緻
な画風は、制作から一世紀あまりを経た今もなお、瑞々しい光を放ち、
バーン・ジョーンズの作品の魅力を際立たせている。
今回の「バーン・ジョーンズ展」は、彼の全貌に迫る日本初の個展だ。
世界屈指のコレクションを収蔵するバーミンガム美術館の協力を得て、
油彩画、水彩画、素描、貴重書、タペストリなど、国内外から厳選した
約80点を、聖書・神話・物語のテーマごとに展覧している。
「聖ゲオルギウス」「クピドとプシュケ」「ピグマリオン」「ペルセウス」
「いばら姫」など、バーン・ジョーンズ芸術の真髄を伝える代表的
連作を紹介している。
日本初の個展に、お初の美術館。これはもう行くっきゃないでしょ。
今から楽しみ楽しみo(^-^o)(o^-^)o
「バーン・ジョーンズ」展覧会サイト
http://mimt.jp/bj/