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「義援金」と「支援金」の違い

2011 年 3 月 20 日

多くの方はご存知と思うが、「義援金(義捐金)」と「支援金」
の相違について、説明しておきたい。

東日本大震災への寄付が集まりつつあるが、テレビ局や
共同募金会で行っているものは、「義捐金」と呼ばれるもの。
私が役員をしている市民キャビネットや市民協で行っている
寄付は、「支援金」だ。

「義援金」は通常は、日本赤十字社に全て集められ、被災者
に分配する。阪神淡路大震災において、最終的に配分された
のは、震災から6ヶ月以上後の事だ。

どうしてこのように遅くなるのかというと、「公平・平等」にしなけ
ればならないために、被災者の総数、それも被害状況(全壊か
半壊かなど)を把握しなければならない。これが容易な事では
ないのだ。

今回も数千億円集まると思うが、例えば2,000億円集まって、
200万人に配分すると、1人当たり10万円が今から6ヶ月以降
に支給されるというものだ。

だから、義援金に寄付をして、テレビに出ている被災者に渡って
いると思うと、大間違いなのだ。

これに対して「支援金」は、この大震災において活動しているボラ
ンティア団体・NPO、あるいはそうした団体が必要だと考える人々
に支給される。

また、この現金はガソリンや食料品、おむつなどに変えて、必要
な人に配られる。即効性を考えるなら、この支援金の方が友好
な手段だ。

だが、「支援金」には公平性・平等性は担保されない。例えば、
私が専務理事をしている市民協には、「宅老所を全国に広める
会」の事務局があり、当然の事として「宮城宅老所連絡会」と
関係が密だ。こうして宮城宅老所に義援金を送ると、そこの
判断で資金は使われる。多分、宅老所の会員の困っている
所へ、重点配分される事になる。

今、紙おむつを送れという悲鳴に似た要望が、被災地の介護系
NPOから寄せられている。これを現物で「義援金」方式で送ると
どうなるか? 県や市役所の倉庫に詰め込まれるだけだろう。

なぜなら、行政は「公平・平等」でなければならないから、紙お
むつを必要とする人数の把握から始める。

これが例えば、10万人いたとしよう。しかし、義援金方式できた
ものが5万人分だとする。この場合、後5万人分が来るまで、
配分を待つというのが「公平・平等」の考え方である。

このような「公平・平等」が必要なのは、平時の時代の事であり、
現在のような非常時は、「不公平・不平等」こそ重要なのだ。

これこそ支援金の意義であり、ボランティア団体やNPOが活躍
する論理だ。

市民協にはすでに、百数十〇万円の支援金が集まっている。
これからもどんどん集まるが、「不公平・不平等」にできるだけ
早く、活用をしていく事になる。

/田中 尚輝(社団法人長寿社会文化協会 常務理事、
         NPO法人市民福祉団体全国協議会 専務理事)
 http://blog.canpan.info/tanaka-naoki/

江戸六地蔵の一つで、1714(正徳4)年に建立した豊島区巣鴨3丁目の真性寺にある「笠地蔵」。私は日本の昔話「笠地蔵」が大好きだったので、江戸六地蔵をいずれ訪ねてみたいと思っている。明治時代になって、下谷から巣鴨に移ってきた高岩寺の超有名な「とげぬき地蔵」とは違って、実はこちらが本家本元の「巣鴨のお地蔵様」なんだけど、笠が大きくて、お顔が見えない。笠地蔵様、どうか一人でも多くの命をお助け下さい。そして、日本をお護り下さい。

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