2009 年 12 月 25 日 のアーカイブ

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遅れて来た博士の話

2009 年 12 月 25 日

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イエス様が洞窟のような馬小屋で生まれたのは、ご存知ですね。

「救い主がお生まれになった」

天使のお告げがあり、その上に、ひときわ輝く大きな星が現れます。

初めに、付近の羊飼い達が、その星に導かれて、
生まれたばかりのイエス様を一目見ようとやって来ます。

その後、はるか遠国から3人の博士達が、
黄金・乳香・没薬のプレゼントを持ってやって来ます。

ここまでは、聖書に書いてあること。

ところで、伝説によると、
実はもう一人、4人目の「遅れて来た博士」がいました。
この人は他の博士達との約束の時間に遅刻をしてしまったのです。

今日は、その「遅れて来た博士」のお話です。

彼は旅に出る前、家族に言いました。

「私は、しばらくの間、旅に出る。
友達の博士達と一緒に、救い主のお生まれを確かめて礼拝して来るのだ。
長い厳しい旅になり、もしかすると生きて帰れない事があるかもしれない。
その時はみんなで力を合わせ、助け合って生活してくれよ」

彼は長年住み慣れた家を売りました。
そして、できるだけお金を集めて、
救い主への捧げ物として宝石を買いました。

そして、家族に別れを告げると、
他の博士達との約束の時間に間に合うように、
馬を走らせたのです。

ところが、途中のある村を通る時、
重い病気で死にかかっている人を見かけました。

その村では、悪い病気が流行っていたのです。、

「急がなければ、約束の時間に遅れる・・・」

一度は通り過ぎましたが、彼は心に引っかかるものがありました。

そして、引き返して病人の応急の手当をしてあげました。
病人はとても喜んでくれました。

病人に笑顔が戻ったのを見届けると、
彼はまた急いで馬を走らせました。

しかし、ずっと待ち続けていた3人の博士達は、手紙を書き残して、
馬をラクダに変えて、すでに砂漠の旅に出発した後だったのです。

彼は一人で砂漠の旅をしなければなりませんでした。

イエス様が生まれた町ベツレヘムにようやく辿り着いた時は、
もう3日も遅れていました。

町には誰一人、外に出ていません。
うす気味悪いほど静かでした。

なぜでしょうか。

イエス様が生まれた事を知ったヘロデ王は、
ベツレヘムで生まれた2才以下の子供達をみんな殺せと命令し、
兵隊達がやって来ていたからです。

どの家も、息を殺したように、ひっそりと静まり返っています。

「ごめんください。ごめんください。
お生まれになった救い主を知りませんか?」

彼の心細い声に、ある家の主人がそっと顔をのぞかせて教えてくれました。

「イエス様は、もうこの村にはいらっしゃいません。
マリア様とヨゼフ様と一緒に、夜の間にひっそりとエジプトの方に
逃れたのです」

その時です。
突然に、赤ちゃんの泣き声がしました。
それは、その家の主人達が隠していた赤ちゃんの声でした。

その声を聞きつけた兵隊がやって来ました。

「今のは赤ん坊の声だろう。赤ん坊を出せ!」

主人もお母さんも顔が真っ青になりました。

「赤ちゃんはいません。どうか助けて下さい」

お母さんは、床にひれ伏してお願いしました。

他の兵隊達が集まって来ました。
隊長も来ました。

もはや、絶体絶命です。

この時、彼は、
イエス様に捧げるために持って来た大事な宝石を取り出し、
隊長のポケットにそっと入れて言いました。

「この家には赤ちゃんはいません。どうか他の所を探して下さい」

隊長は宝石を握りしめ、にんまりとすると、
部下達に他の所を探せと命令しました。

赤ちゃんは無事でした。
お母さん達はどんなに喜んだ事でしょう。

遅れて来た博士は、ついにイエス様に巡り会う事はできませんでした。
会っても、プレゼントとしてあげる物は何もありませんでした。

でも、心の中では、これで良かったのだと思いました。

助かった病人の喜び・・・
殺されかかった赤ちやんとそのお母さん達の喜び・・・

それらは、彼の喜びにもなり、神様の喜びにもなりました。

彼が困っている人のためにした行いは、
神様の目にとって、
宝石よりも輝く尊い宝物だったのですから。

と、いう訳で・・・

★今日のお話から学べるヒント★

クリスマスには、
与える事で喜んでもらい、
与える事で喜ぼう。

(与えるものがなければ、せめて一度の微笑みだけでも・・・)

P.S 
今日のお話は、昔聞いた話を私が文章にしたものです。
多分、絵本にもなっていると思いますが、
残念ながら、タイトルを知りません。

/中井 俊己(作家、教育コンサルタント)
 メールマガジン「心の糧・きっとよくなる!いい言葉」より抜粋、引用
 http://www.t-nakai.com/index.html

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