2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」は世界遺産に
登録されたが、霊場だけでなく「道」が文化遺産の
対象として登録されたというのが、大きなポイント
だそうな。
人が作り出して、守ってきた道というものが、文化
遺産になっている事例としては、スペインの「サン
チャゴ・デ・コンポステーラ」という巡礼の道がある。
サンチャゴ・デ・コンポステーラは、スペイン北西
部のガリシア地方にある小さな町で、9世紀初頭に、
キリストの12使徒の1人である聖ヤコブ(スペイン
語でサンチャゴ)の墓が発見された事から、注目
を浴びるようになった。
だが、この墓が本物かどうかは不明らしい。それ以後
エルサレム、ヴァチカンに次ぐ聖地となり、ヨーロッパ
各地から多くの巡礼者が訪れるようになった。
元は小さな礼拝堂だったが、今ではカテドラル(大聖堂)
になり、3年前にここに巡礼に行かれた方から、グリー
ティング・カードを頂いた事がある。
長く厳しい旅の終わりに、この美しく荘厳なカテドラル
を見た巡礼者の感動・感激は、いかばかりか。歓喜
の涙にあふれ、ただひたすら有り難いと、神に感謝
した事だろう。巡礼の目的は、その過程にある。
先月、高野山に行った際、空海のご母堂が住んでいた
慈尊院に、四国巡礼の一団が満願御礼に来ていた。
尼僧さんと共に、万歳三唱の雄叫びを上げ、それは
それはうれしそうだった。気持ちはよーくわかるなぁ。
私はクリスチャンでもなく、仏教徒でもないが、
「人が作り出して、守ってきた道」を歩きたい
願望が、年々強くなってきた。国内外問わず
「巡礼の道」は、私のライフワークとなりそうだ。