近鉄奈良線に乗って、石切駅に着くと、雨が降っていたせいもあるが、
明らかに温度が違い、空気が澄んでいる。生駒山は紅葉が見頃だ。
大阪市内から見ると、生駒山はちょうど太陽が昇る東の方角にあたり、
昔から聖なる山とされてきたそうな。
駅前にはすでに大きな鳥居があり、「ようこそ石切さんへ」と書いてある。
一般には「石切神社」と略称で呼ばれているが、正式名称は「いしきり
つるぎやじんじゃ」という。
大阪の民間信仰として名高い石切神社は、できものや腫物(はれもの)
の治療の神、俗に「デンボ(腫物)の神さん」として知られている。
御祭神は「饒速日尊(にぎはやひのみこと)」と、その御子「可美真
手命(うましまでのみこと)」をお祀りしている。石切神社の楼門には、
右に剣を持った尊(みこと)、左には矢を持った尊が控えている。
この剣と矢は遥か昔、天から降りてこの地を治めた神、ニギハヤヒノ
ミコトが携えて来た神の宝といわれているそうな。神社の御神体は、
石をも切り裂き、貫くという剣(つるぎ)と箭(矢)。「いしきりつるぎや」
という神社の名前は、これに由来しているんだとか。
その御利益は、人の悩みや病気をもバッサリと切り取ってくれると
いわれ、今では健康、商売繁盛、学業成就を願う人々が訪れている。
参道は神仏の坩堝(るつぼ)で、もう何でもありのワンダーランドだ(笑)