マスーラの町の壁のそば、ブッダの弟子ウパグプタが地面の
上で眠っていた。町の灯りは消え、家々の戸は閉ざされ、8月
の雲に星は隠れていた。
突然、足首の飾りをチリンと鳴らして、彼の胸に誰かの両足
が触れた。驚いて目覚めた彼の優しい眼差しに落ちたのは、
女の持つ灯りの揺らめき。それは宝石で身を飾った若い
踊り子。水色のマントをまとい、酒を飲み、女は灯りを下げ、
若い僧の飾らない美しさを見た。
「お許し下さい。若い行者様」
と女は言った。
「私の家にお泊まりを。土の床は、あなたにふさわしくありません」
若い行者は答えて言った。
「女の方、家にお帰りなさい。時が熟したら、あなたの所に参りましょう」
暗い夜に突然の稲妻が走り、嵐がうなる。女は恐ろしさに震えた。
それから、まだ1年も経っていなかった。季節は春。4月の夕べ。
道の両側、木々の枝には花が咲き乱れ、春の風に運ばれて、
陽気な横笛の調べ。花の祭りに人々は行き交い、月は中空
にあって、静まった町影を見つめる。
寂しい通りを行く若い行者、その頭上では、マンゴーの枝で郭公が
恋を囀(さえ)ずる。ウパグプタは町の門をくぐり、壁の傍らに佇む。
その足下、マンゴーの森の陰に横たわっているのは、あの時の女。
黒死病に打たれた腫れ物と疱瘡の体。町から捨てられた体。傍ら
に座った行者は女に膝枕を与え、唇に水を含ませ、体に白檀の
香油を塗った。女は尋ねた。
「憐れみ深いお方。あなたはどなたですか」
若い行者は答えた。
「あなたをお訪ねする時が、ついに来ました。私はここにいます」
♪まるで赤インクで染めたようなドラゴンフルーツ。イマドキ中国だったら、それも有り得るだろうが、こちとら正真正銘、本物のドラゴンフルーツでーい。それにしても、この色は刺激的で、いかにも南国の果物って感じだよね。こんな色でも、決して下品にならないところが、天然の強みっちゅーもんでしょ。自然って本当にアンビリーバボー&ワンダホー!