Uさんは亡くなったのだ。もうこの世にいないのだ。2度と会えないのだ。人は生ま
れたら誰でもいつかは死ぬ。それは頭ではわかっているが、この現実を信じられ
ない、受け入れられない自分がいた。
脱力感でいっぱいで、未空母が心配して部屋までランチを持って来てくれたのだが、
全く食べる気になと会えないのだ。人は生ま
れたら誰でもいつかは死ぬ。それは頭ではわかっているが、この現実を信じられ
ない、受け入れられない自分がいた。
脱力感でいっぱいで、未空母が心配して部屋までランチを持って来てくれたのだが、
全く食べる気になれなかった。何もする気が起きず、ただ部屋で横になっている。
考えてみると、今まで私の周りで亡くなった人達といえば、祖父祖母といったお年
寄りで、血縁ではあっても同居していた訳ではないので遠い存在だった。お葬式
では悲しかったが、冷静だった自分がいる。だが、Uさんの場合は違った。
人が死ぬというのは、こんなにも信じ難く、受け容れ難く、悲しくて苦しくて辛い
ものなのか。複雑な感情が絡み合い、自分ではどうする事もできず、ただ悔しくて、
脱力感でいっぱいで、放心状態にさせるものなのか。思えばこういう経験は初めて
だった。神様はあまりに惨く、残酷だ。
Uさんのお嬢さんから葬儀の日程のFaxが届いた。そして、我が目を疑った。お通夜
の会場が未空母方のお寺の真ん前だったのだ。お墓参りに行く度、目にしていた
そのホールは、私とUさんのご縁を物語っている。ただ私はその名前にずっと気が
つかず、ある時、未空母に言われて、そのホールをわざわざ一緒に見に行ったのだ。
これはUさんのためのリハーサルだったのか。本当にショックで何も手につかない。
私が贈ったおびんずる様は、少しは役に立てたのだろうか。留守番電話を聞きな
がら、コールバックをしなくて本当にごめんなさい。
最後まで仕事の復帰を目指し、病と闘い続けたUさん。どんな困難にもめげず、
その都度、たくましく道を切り開き、才能を開花させていったUさん。いつも
全身全霊で仕事に取り組み、おしゃれだったUさん。娘のような未熟な私を
「未空先生」と呼び、最後まで気遣ってくれた優しいUさん。
私はUさんから「自らを生かし切る」事の大切さを学んだ。本当に素晴らしい見事
な人生だったと思う。そんなUさんに2度と会えないのかと思うと、いつまでも涙
が止まらない。あなたといるだけで元気になれた。いっぱい勇気をもらった。
こんな私と出会って下さって、どうもありがとうございました。心から感謝して
います。全てをやり切ったUさんのように、私も悔いのない人生を歩みたい。
そして、私やお嬢さん達を見守って下さいね。Uさんにして頂いてお返しでき
なかった事は、私が他の人に恩送りしようと思います。
Uさん、どうか安らかに眠って下さいね。あなたの事は生涯、忘れません。
心からどうもありがとうございました!