断食といいますと、すぐ食事制限だけの事を思い浮かべる方が多いかと存じ
ますが、歴史的に見て太古の昔から、人間は飢餓と闘い続けてきて、これに
備え得る身体になってきており、飢餓に耐え得る精神的な動物でもあります。
昨今の飽食に溺れやすい社会的環境の中で、食べ物を必要以上に摂取す
ると、どんな事が起きるのでしょうか?
まず、呼吸が必然的に速く浅くなり、空気が充分に肺胞に達しない事になり、
食物をエネルギー化するために必要な酸素が不足して、不燃焼物が腸内に
溜まり、糞便中の有毒成分が血液中に吸収され、瘀血(ドロドロした汚れた
血液)となって心身に異常を起こし始めます。私達が生活をしていく上で、
「適切な食物と適切な呼吸」がいかに大切か、改めて認識すべきです。
そして、ウポワズ実行中、自然の食物で胃腸を洗浄する事が必要で、腸管
にへばり付いた宿便を排して、腸管をきれいにし、腸の運動を快適にさせる
事もウポワズの重要なポイントです。「お流し(腸内環境の浄化)」がウポ
ワズの健康の要点でもあるといえます。
ウポワズとは、インドでは「断食・絶食」の事をいい、元来「自己の本性
である神に還る」という意味を持っています。したがって断食とはいわず、
「お断食」とあえて称し、言葉もウポワズが持つ深遠で、美しい内容の
表現である事から、サンスクリット語(梵語)である「ウポワズ」そのまま
の発音を用いて、普及・定着させたいと願っています。
/NPO法人日本健康づくり協会