仕事からの帰り、ボーッと道を歩いていると、近所のおばあさんと
目と目が合った。といっても、近所付き合いがあるワケではなく、
顔も何も全く知らないアカの他人だ。すると、突然
「お花あげましょか」
と声をかけられた。キョトンとしてる私に再度、
「お花あげましょか、ネ」
「あっ、ハイ。ありがとうございます」
ほとんど条件反射的に応える私。
おばあさんはうれしそうに、持っていたハサミで自宅の前に植え
てある花を切り出した。チョッキンチョッキン・・・
「あの、そんなにいいんですか?」
「えぇ、いいですとも」
チョッキンチョッキン・・・
「でも、そんなに切ったらなくなっちゃいますよ」
「それじゃ、これくらいで」
「どうもありがとうございます。いい匂いですね」
「コップにでも飾って下さいね」
「はい、そうします。わーっ、キレイだなぁ」
「そう、良かったわ」
おばあさんは本当にうれしそうだった。ふと、斎藤一人さんの言葉
を思い出した。
「自分が光り輝いていたらキャンドルサービスで、みんなに光をつけ
てあげられる。キャンドルサービスって、いくら分けてあげても光
は減らないんです。私の光が半分になる事はない。あなたの光
も半分になる事はないんです。ただ、灯りが増えるだけなんで
すよ。神様の究極的な願いというのは、自分の周りにいる人に
笑顔で優しい声で話しなさい、という事だけなんです」
それまで何となく気が晴れなかったのだが、夕方になって私のココロ
に小さな明かりが灯された。これはおばあさんがくれたキャンドル・
サービスだったのだ。
急に身近に感じたおばあさん、優しい光をどうもありがとう!
さて、次は誰に送ろうか?
♪私はおばあさんがくれた花を、ずっとホウセンカだと思っていた。未空母に聞いたら、「それはオシロイバナよ」と言われた。と思ったら、「やっぱり違ったわ。ニチニチソウでした。オシロイバナとよく似てるのよ」だって。