中野富士見町にあるplan Bは、地下にある古い小劇場だ。階段下でチケットを
買い、観客用の待合室で待機する。美老庵・師匠は観劇が趣味で、ほぼ毎週
末行っているようだが、大学時代、演劇をやっていた人なので、きっとこういう
雰囲気は懐かしく感じるんだろう。それにしてもウチの師匠は、舞台ではどん
な役をやってたのかなぁ。なんてったって超濃い~キャラだしぃ(笑)。
昔、中学の後輩が劇団に入っていて、舞台を見に行った事があるが、私は小劇
場にはほとんどなじみがない。plan Bのスケジュールを見ると、ドキュメンタリー
映画、音楽、独舞、喜劇etc. 多彩なパフォーマンスが日夜繰り広げられ、
改めて自己表現の多様性を知る。
今回は音担当で、エレクトリック・ギターの小柳昌博さんという方が友人の友人で、
私にもお誘いがきたのだ。小柳さんの技法は、時としてガムランの楽器や波の音
に聴こえ、ギターとは思えない音色を紡ぎ出す。ギターと真剣に遊んでいるのだ。
ここまでくるには色々な事があったのだろう。音はその人の内面を映し出していく。
長谷川恵美子さんは1923年、熊本県天草生まれ。昨年は「ダンス白州2005」
に参加し、インドネシアのジョグジャカルタでソロ公演を行う。
83歳の長谷川さんは、三上賀代著「器としての身体 土方巽 暗黒舞踏技法へ
のアプローチ」を手にする事を得た今年の3月以来、この出会いによって舞踏
の本質なるものは明瞭になった。長生きして、舞踏を極めたい欲望が新たに
目覚めた。迷いながら、わからないままの舞踏への愛着は間違いなかった。
長い年月の流れの中で、多くの方々の愛と忍耐に支えられて、今なお新た
に舞踏を愛し、命を愛し、日々豊かなる恵みの中で老いを生きる私、と語る。
私の太極拳の流派では、80代の現役師範がたくさんいる。私もそうでありたい。
その時、私は何を愛しているのだろう?