2006 年 3 月 2 日 のアーカイブ

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心境①

2006 年 3 月 2 日

「峠」

峠は決定をしいるところだ

峠には決別のためのあかるい憂愁がながれている

峠路をのぼりつめたものは

のしかかってくる天碧に身をさらし

やがてそれを背にする

風景はそこで綴じあっているが

ひとつをうしなうことなしに

別個の風景にはいってゆけない

大きな喪失にたえてのみ

あたらしい世界がひらける

峠にたつとき

すぎ来しみちはなつかしく

ひらけくるみちはたのしい

みちはこたえない

みちはかぎりなくさそうばかりだ

峠のうえの空はあこがれのようにあまい

たとえ行手がきまっていても

ひとはそこで

ひとつの世界にわかれねばならぬ

そのおもいをうずめるため

たびびとはゆっくり小便をしたり

摘みくさをしたり

たばこをくゆらしたりして

見えるかぎりの風景を眼におさめる

/真壁 仁(まかべ じん)
20060302
♪私は高い所や突端を見ると、ギリギリの所まで行きたくなる、ある意味、冒険野郎かもしれない(笑)。シギリア・ロックから眼下を眺めると、思いのほか緑が多く、とても気持ちが良かった。古(いにしえ)の王侯貴族も、これと同じ風景を見たのだろうか?

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