フィリピンのレイテ島で起きた地滑りによる行方不明者は、1,400人以上にものぼる
が、泥が軟らかく重機が入れず、手作業での捜索が続いている。レイテ島の豊か
な森林は、乱伐や換金作物への転換で、土地の保水力を弱めたという人災の側
面が災害の度に指摘されるというニュースの後に、ニューオリンズのお祭りの風
景が流れていた。
私が初めて聞いた「マルディグラ (MardiGras)」 とは、フランス語でキリスト教の
謝肉祭の最終日、英語で「Fat Tuesday」を意味するそうな。マルディグラの日は、
イースター(復活祭)の日により決まるので、毎年変動するが、その日の11日前
の金曜日から毎日パレードが行われ、マルディグラで最高潮を迎える。宗教的
には、イースター前の断食に入る前に、いっぱい食べようという事から始まった
お祭りらしいが、いつの間にかそこにアフリカ系移民(元々は奴隷として連れて
来られた人)や、ネイティブ・アメリカンの儀式などの要素が入り込んで、今では
宗教色は消え、パレードや音楽が食べ物が中心の祭りになっているそうな。
大水害に見舞われたニューオリンズでは今年、この祭りをやるやらないで、賛否
両論の意見があったが、こういう時こそお祭りで町興しという事でまとまり、無事
マルディグラの開催となった。通常その規模は、リオのカーニバルと同じく世界
3大カーニバルの1つに数えられるほどだそうで、えーっ、そんなに大きかったの?
祭りの間は、マルディグラ・カラーと呼ばれる紫・金・緑の3色に町中が染まる。
緑は「運命」、紫は「正義」、金は「権力」の象徴なんだとか。パレードでは
フロートと呼ばれる色々な飾り付けをした巨大な山車がメインストリートを行
進し、その山車と山車の間には、ブラスバンドやオープンカーに乗った有名人
らしき人などが次々と通る。そして、山車や車からは、ビーズの首飾り、カップ、
コイン、子供のおもちゃetc. 色々な物が観客めがけて投げられるのだ。
ビーズをたくさんキャッチすると、幸福になると言われてるんだって。だから、
みんな首からジャラジャラと下げていたのか。それにしても、マルディグラ・
カラーの象徴が運命と正義と権力というのもおもしろい。緑だと普通「平和」
をイメージするが、「運命」を意味するのか。ニューオリンズの人達は、自分
達の運命をどう受け止めたのだろう。レイテ島の人達も然り。
自然災害が起こる度、人間のあまりに無力で、はかない運命を思い知る。