漢字の世界では、「同じ音には関連性がある」という考え方があり、中国では「音通」
または「字謎(ズーミー)」と呼ばれるそうな。まさに読んで字の如く、字の謎だ(笑)。
私は漢字が割りと好きな方だと思う。漢字アレルギーはないが、古文・漢文系は
ダメですぅぅぅ。だから、原書講読なんてもっての他(笑)。
San Diegoにいた時、同じクラスにドイツ人のハイコという身長が2m近い男の子が
いた。私との身長差は30cm! 一番仲の良かったフランス人のNadineは172~3cm
くらいで、未空父と同じくらいだろうか。彼女のおじさんは、やはり2m近くあるそうな。
私は小学生の従妹並みらしい(笑)。それにしても何を食べたら、こんなに背が
伸びるんだろう? やっぱ、白米ではダメなのか。
クラスでスピーチの課題があり、メモはO.Kだが、原稿を読んではいけないという。
題材は何でも良いという事なので、私は漢字を取り上げる事にした。滅多に学校に
来ないアラビックのモハメッドは、自分が可愛がってるペットについて話すと言う。
何の動物かは「お・た・の・し・み」という事だった・・・
当日、彼はぬわ~んと大蛇を持って来て、餌のネズミをあげたから、さぁ大変!
San Diegoに来た記念に、バラの刺青を太腿に入れたスイスジャーマンの女の
子は泣き出すは(←刺青を入れる方がよっぽど泣きたくなると思う。高熱を出し
て寝込んでたんだから)、日本人の女の子は悲鳴を上げて教室を飛び出すは、
他のクラスの生徒を巻き込んでの前代未聞の大騒ぎとなった。それ以来、校内
にペット持ち込み禁止令が出たのは言うまでもない(笑)。San Diego時代の
懐かしい思い出だ。
同じクラスに数人のアラビックがいたので、初めてアラビア語が右→左に書く事
を知った。そして、その文字の美しさにココロ惹かれた。それと同じく、彼らに
とっては漢字が不思議でたまらないらしい。私が漢字を書くと、まるで魔法使い
を見るが如く、目を輝かせた。だが、これはアラビックに限った事ではなかった。
ハイコも感動して「僕の名前を漢字にして」というので、ここで未空流字謎(ズー
ミー)の出番となる。ドイツには刃物で有名なゾリンゲンがある。なのでハイコ
のハは「刃(sword)」。彼の母親はお医者さんで、車はBMWに乗っているという。
おーっとBMか、と思ったが、待てよ。ドイツ人なんだから、単に国産車じゃん(笑)。
話を聞くとエリートの家系らしいので、ハイコのイは「威(proud)」、コは背が
高いので「高(high)」。めでたく「刃威高」となったのである。彼に1文字ずつ
説明すると、ものスゴーく喜んで「いずれハンコを作るよ」と言っていた。
実はこの一件が、後に私を悩ませるプロローグとなる事に、当人は全く気づ
いていなかった・・・
この続きは明日ね(笑)