2005 年 7 月 3 日 のアーカイブ

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現象と本質

2005 年 7 月 3 日

戦争には反対である。それが、同じ東アジアのベトナムの出来事であろうが、
遠い中東の国の事であろうが、戦争はよろしくない。そう、多くの人が思う
ように私も同感である。

しかし、戦争はなくても「人は死ぬ」。毎日毎日、事故でも事件でも、病気
でも傷害でも、それが天災であろうが人災であろうが、「人は死ぬ」。その
こと自体は珍しい事ではないのである。だからきっと、私達は「人が死ぬ」
から、戦争が嫌いなのではないのでしょう。

そう「人が死ぬ」事は、ただの現象にしか過ぎない。問題は事の本質である。
私達は、あらゆる目に見え、耳に聞こえる現象に影響されながら生きている。

「15歳の殺人」「金メダリストの妊娠」「近所づき合いの諍い」「友達の昇進」
「癌の宣告」・・・どういうイベントをとっても、それは現象である。私達は時
として現象に振り回される。起こっている出来事に揺さぶられる。

「父は確かに、私に遺産を譲ると言った」「あの時の八百長相撲は許せない」
「だから、愛人なんかの言う事は信じられない」「離婚して家を出た母の言う
事じゃない」という、ただただ起こっている出来事に対峙しているようで、
翻弄されていく。混乱が混乱を呼んで、いつまで経っても泥仕合である。

日常的に物事を考える習慣がないと、本質を観る事ができず、四方に表出する
現象だけに反応しなければならない事になるのだ。まず、自分に問いかけて
みる事である。「なぜ、今そう思ったの?」。全ての答えは自分の中にある。

なぜなら、感じている現象は、全て自分の心の反映だからである。なぜ今、
戦争が嫌だと思ったの?社会を作っていかなくてはならない。争いが嫌いな人ばかりなのに、
争いが起こり続ける世の中を改善する方法は、現象に対処する延長線上に
はないのだ。

たとえ、その現象が「人が死ぬ」くらいの出来事であっても(敢えて言うなら、
人とは100%死ぬものなのだ)、それは所詮、現象なのである。
日常を現象とともに過ごす人、本質を考えて生きる人。

/山本 正樹(経営コンサルタント・株式会社理想経営 代表取締役)
20050703

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