「今日は半夏生(はんげしょう)ですね。日本には、“音”だけでも響きの心地
良い節気や雑節がありますね。今、暦を見たところ、半夏生の半夏(はんげ)は、
“烏柄勺(からすびしゃく)”という、6月に鞘(さや)をつける薬草が生える時期
からきているそうです」というMailを頂いた。
節気とは、ニ十四節気や七十二節気のように、1年を24、または72に分けた暦だ。
ニ十四節気だけでは、農作業の基準がわかりづらかったため、更に細かく分け、
七十二節気が生まれたらしい。私にMailを下さる方の年齢層はかーなーり幅広く、
話題も様々でおもしろい。全て目を通させて頂いている。これこそが、私が空庵を
続けられる最大の原動力、つまり勇気、元気、エネルギーetc.となる。非常謝謝!
それにしても「半夏生(はんげしょう)」というのは、カレンダーでチラッと
見かけたような・・・ そして、こういう美しい日本語を聞くと、途端に右翼
チック未空の血が騒ぎ、Research魂が暴れ出す。ニッポンを♪みっなお
そ~みなおそ~(笑)。
夏至から10日過ぎた日より、5日間を「半夏生」というそうな。農家にとっては
大事な節目の日でもあり、地方によっては、この日の天候によって、その年
の稲の豊凶を占う日でもあった。
この日は、天から毒気が降るといわれ、井戸に蓋をして毒気を防いだり、この
日に採った野菜は食べてはいけないとされたりした。また、この日雨が降ると、
必ず大雨になるとも伝えられ、故にこの季節に降る豪雨の事を「半夏雨(←はん
げあめ? はんげう?)」というのである。
志摩や熊野の沿岸部では、この日は「ハンゲ」と呼ばれ、豆や雑穀の煎り物
を禁じる日でもあった。佐賀県では、畑の地の神「地荒神(ちこうじん)」を
祭る日であったとか、青森県では半夏の後に田植えをすると、1日につき1粒
ずつ収穫が減るとか、埼玉県では竹の花が咲いたり消えたりし、それを見ると
死ぬとされているので、この日は竹林に行ってはいけない等、地方によって
様々な言われがあるようだ。
そのため、半夏生は地方によって様々な物忌みの守られていた日でもあった
と推測している学者もいる。
また、ハンゲというのは妖怪の名前であり、この妖怪が年に1度、この日、
田畑を徘徊するので、その難を避けるという理由で、労働休みの日とされ
ていた地域が、一部にあったという。へぇ~、妖怪ハンゲでっか。どっかに
いそうだよね。見てみたくないですか(笑)? 教えて、水木しげる先生!
また、以前にはこの日、「夏経(←なつきょう? げきょう?)」という経
を寺で読んだり、虫送りの行事を行う所も多くみられた。伊賀地方でも、
この日までに田植の仕事を完了する事とされ、一種の農閑期の行事と
して、古くから農山村での暮らしの中に位置づいてきたように思われる。
ちょうど梅雨も過ぎ、田植仕事も一段落ついた農家にとって、一息入れるのに、
ほど良い時期でもあった。やがて来る極暑の時期の農作業、そして秋の農繁
期へとうち続く労働の日に備える、常民の知恵がこうした骨休めを目的とする、
半夏生の5日間を生み出したものと推察されるのである、んだと。
関西ではこの日に蛸を、讃岐ではうどんを食べる習慣がある。
また、半夏に似た名前の「半夏生」という毒草も存在するが、半夏とは全く別
の種類の植物だそうな。こちらは化粧を施したような真っ白の花が咲くため、
「半化粧」と名づけられ、それが変化して「半夏生」になったのではないかと
いう説もあるんだって。ほぇぇぇ~。もう知らない事だらけですわ、ペチッ(笑)。
いやいや、勉強になりました。N.Tさん、日本語再発見Mailどうもありがとう
ございました! いずれにしても、半夏生には深~い意味がこめられてる
んですね。うーむ、感動した。まさに♪ニッポン、チャチャチャですな(笑)