事務所で仕事をしていると、窓から窓へ流れていく風がとても心地良く
感じられる季節です。春はもう過ぎたように思いますが、初夏と言うには
まだ少し早い気がする。その狭間がとても気持ちが良い。
そして、この季節はなぜか試験の発表が多い時期でもあります。講師の
仕事の中には資格試験を受けるためのコースもあって、受講してくれた
人達からうれしい知らせが届きます。
今回のテーマに選んだ「教えるほど学ぶ」というのは、受講してくれた
人達の事ではなくて、私自身が感じている事です。
つい先日も、とある資格試験のコースのアシスタントを担当して頂いた方
から、受講者の方々の合格状況が届きました。とてもうれしい知らせです。
また、次回のコースに取り組む元気が出てきます。そして、次のコースは
前回の時にアシスタントをしてくれた方が、私と交代で講師として人前に
立つ事になりました。
その講師の方と講習の進め方などについて打ち合わせをしたり、質問を
受けたりしながら準備をしています。そして、それが私自身が多くを
学ぶきっかけになっているのに気づきました。
彼女はとても熱心な人で、自分でもよく調べているのだと思うのですが、
長い質問のMailを送ってくれます。そして、少し申し訳なさそうです。
確かに、的を得た質問の数々にちゃんと返事を書くには、それ相応の
時間を費やすのですが、不思議と苦になりません。そこには「なるほど」
「へぇ、そうなるのか」「そうか、こうすればいいんだ」といった言葉
をつぶやきながらの自分がいます。
教わる方は、その事柄について学びます。しかし、教える方は質問された
内容について、誰かに説明できるほど正確に学ぶ事ができます。そして、
相手が理解している状況についての感じ取る事も求められる。また、質問
の中で、本当に答えて欲しいのは何なのか、その主訴を見つけ出す事も
磨かれる。加えて、相手が理解しやすい説明とはどんな説明だろうと言葉
も選ぶようになります。
これは、明らかに「質問する人」より「答える人」の方がうれしい状況です。
もちろん、今度講師に立つ彼女が一生懸命質問してくれるからこそだと
思います。
互いに成長するというのは、このような事も意味しているのかもしれませんね。
/尾山 眞(ibrain system creaters代表)