2005 年 5 月 22 日 のアーカイブ

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独自化

2005 年 5 月 22 日

手作り感満載のレシピで、日に日に注文が伸びていく宅配のお弁当屋さんがあるそうな。
そこのお弁当が温かくておいしいのはもちろんなのだが、何が大きく違うって、返却
する際に、お弁当の容器を洗わず、そのまま返せるところ。特に、残したおかずもその
ままに、まさに食後姿で戻すのだそうな。普通、出前を取れば、きれいにして返すのが
常識だし、あらかじめ洗っておいてもらえれば、先方も楽なのになぁと考える人が多い。

私もそんな一人だった。だが、そうするにはワケがある。実は中身の残り具合で、人気
のおかずや分量のチェックをして、飽きられたり、サービス不足のチェックをしているの
だとか。なるほど! 宅配される側にとっては、容器も洗わず生ゴミもできず大助かり。

お弁当屋さんは、今後の商品開発と顧客満足に繋がっているのだ。ただ合理的に、
お弁当箱は洗って返すものと考えがちだが、それこそがこの会社の独自化だ。
素晴らしい! ワンダホー! 経営者、出て来ーい(←もち、良い意味でね(笑))。

確かに言われてみれば、私の知り合いのシェフも、下げられたお皿だけは必ずチェック
すると言ってたっけ。そして、あまりに残しが多いテーブルには、後で「本日のお料理
はいかがでしたか? お気に召して頂けたでしょうか?」と探りを入れに行く、とも。
やっぱ気になるもんね。

このシェフ曰く、プロだったら最低7割以上のお客様に、おいしいと言わせなければ
ダメだそうな。味覚は人それぞれ。厳しい世界だ。もちろん残らず食べてくれれば、
一番うれしいが、空のお皿でも本当に満足してもらえたのか、残りを誰かが食べて
あげたのか(←私はよく頼まれるから(笑))わからない。

もし、残ったおかず=クレームと考えれば、そこから学ぶ事は多いはず。空庵でも
私自身の仕事においても、大変有り難い事にホメてくれる人がいる。それはそれで、
とってもうれしい。特に私はホメられると、木に登ったまま下りてこなくなる傾向
がある(笑)。いや、正直おりたくないのだ。

だが、それでは進歩がない、学べない、気づけない。時にはお叱りも必要なんだ
よね。凹まない程度に(←いかにも小心者の私らしい(笑))。だが、凹めば凹む
ほど、その分、新しいモノが入ってくるのも事実だ。「大変な時は大きく変わる時」

後から考えると、ある意味クレームは気づきへの有り難い即効薬ともいえる。
「変化は全て良い兆し」。最近はとみに、そう感じている。このお弁当屋さん
のように、私も独自化路線を目指そう!
20050522

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