精神世界系の小冊子に、「こんな方にお勧め ①何事も科学的に究明するのが好きな方
②最先端科学に興味がある方 ③科学的に証明されていないもの以外は、一切信じな
いという方」と書いてあった。少なくとも③は当てはまらないな。
「1950年代にワトソン博士とクリック博士がDNAの遺伝コード配列を発見した際、遺伝
コードが古代中国の易と同じ特性を持っていた事がわかり、世界中を驚かせました。
“易は宇宙のCode Bookである”という仮説を立て、最先端科学が到達した事実を易に
当てはめてみると、きっとおもしろい発見があるはずです。実際、著名な科学者の中
には、シュレディンガーのように晩年に近づくと、心霊の研究を始める人も多いと聞き
ます。その一方で、精神世界に通じてくると、“科学のようなレベルの低いものにわか
るはずがない”と断定して、科学をないがしろにする人もいますが、“何とか科学的に
説明できないだろうか?”と考える視点は、常に持っていたいと思います。何といっ
ても科学は、現代のセントラルドグマ(中央教義)ですから」と謳うこの団体は、
「科学を超えた世界を、科学的に証明する事への挑戦」を試みているらしい。
毎月実施している研究会があって、参加費2,000円か。ふーん。むムッ、ちょっと待てよ。
シュレディンガーってどっかで聞いた事があるような・・・ ふと思い出して瞑想の講義
ノートを開くと、あったあった。やっぱね。「シュレディンガーの猫」だ。
Netで検索すると、何が笑ったって「シュレディンガー音頭」なんてモンが存在するんだよ。
http://schrodinger.haun.org/kaisetu.html
ある複雑系物理の研究者が学生の時に作った、物理を志す者必修の踊りで、
この踊りからは多くの分派が発生し、茨城大学の旧物理学科だけでなく、
旧化学科の一部にも存在していたらしい(笑)。アーウィン・シュレディ
ンガー? エルヴィン・シュレディンガー? よっくわかんないぞぉ。
とりあえずシュレディンガー(1887~1961)という人は、狭い知識に閉じこめられる
事はなかった。1927年に波動方程式で量子力学を打ち立てた後、1944年「生命
とは何か」は分子生物学を切り開いた。物理学、生命科学で最高峰の結果を残し、
更に1958年には、心の領域の著書である「精神と物質」を著した。シュレディンガー
のように偏らない底辺の広い知識を持つ人物こそ、知の巨人と呼ぶのだろう。なぜ
これほどの人物たりえたのだろうか? 1つ極め、次にまた1つと広げていったの
であろうか? 答えは否である。
シュレディンガーは、最初から広い分野に興味を持っていたのである。波動力学を
創設した同じ時期に、「道を求めて」という本を執筆をしているが、若い頃から彼
の頭の中にあったのは、哲学であった事がわかる。その中で、「どのような物質的
活動が意識と結びついているのか?」という事を問うているが、これに答えを出す
ために、まず物理を研究し、次に生物を研究したにすぎなかったのかもしれない。
順番は逆であった可能性もあった訳だ。ほぇぇぇ~、アタマのいい人はやる事が
違いまんなぁ。ポリポリ(笑)。シュレディンガーのように、1つの分野に留まら
ない知の巨人は少なくない。例えばゲルマンは、大学では考古学か言語学を
専攻しようとしていたのを両親に止められて、素粒子物理を選んだにすぎない。
他にも生物学、コンピューターなど全てに興味があり、後にサンタフェを設立
する事になる。プリゴジンは心理学に興味があったという。クリックは「DNAに
魂はあるか」を著し、ジョセフソンは神秘に走った。彼らに共通するのは、
偏った専門家が後に、総合的知の巨人に成長したのではない。誰もが元々、
広い興味を持っていたのである。
それは私も同じだけどぉ、知の巨人にはなれなかったよ。キッパリ(笑)。
まぁ如何せんアタマの中身が違いすぎたんだね。残念っ! そーいえば、私の
守護神のようなお役目の方は、高校を主席で卒業し、大学に推薦入学。そこで
量子力学(←だったと思う)を専攻し、DNAの研究に没頭した。ところが勉強
すればするほど、こんな複雑高度なものを誰が創ったのかという疑問が湧き、
とうとう大学院にはいかず、宗教の世界に飛び込んだ。
それが一番自然な生き方だと思う。彼のように、突き詰めれば科学 VS 宗教には
ならないんだよね。リバーシブル感覚だな。ふと“痴の巨人”未空はそう思った(笑)