Spring has come! 英語で「スプリング・クリーニング」というと大掃除の事。
春は大掃除に適しているのでしょうか? 私は昨年末から、自分の周りのガラクタ
となった物を、少しずつ片づけ始めました。キッカケは友人が紹介してくれた1冊
の本「ガラクタ捨てれば自分が見える(カレン・キングストン著 小学館文庫)」です。
1月にポートランドで求めた原書には、「風水術であなたの周りの肉体的、知的、
感情的、そしてスピリチュアルなガラクタから、永久に開放されましょう」 という副題
もついていました。そういえば以前、アメリカで心のシンポジウムに参加した時、
仲良くなった作家さんの本は、「シンプルに生きる道~外面をシンプルにすると、
内面がリッチに」というものでした。まさに実感です。私達の内面には、汲めども
尽きない豊かな知恵の泉があります。人が人生に問いかけを持ったら、その答えは
その人の内側にすでにあると 講演会でいつもお話している通りです。でも、私達は
成長し社会に出ると、外側の知識を増やす事に専念してきました。知識をつければ、
賢く生きられると思ったのです。ところがいつの間にか、身を助けるはずの知識が
知的ガラクタとして、私達を縛っているかもしれません。知識には限界がありますが、
知恵には限界はありません。また、感情的なガラクタとは、いつの間にか身について
しまった心の動きの癖です。済んでしまった事にくよくよしたり、建前に固執したり、
売り言葉に買い言葉で、感情をむき出しにしたり、愚痴を言う、何でも批判をする等
という性格は、ガラクタ同様、その気になれば手放せるもの。発想の転換と心の動き
の仕組みを理解する事です。私はついでに、肉体的ガラクタも少し手放しました。
家の片づけをすると、余分な体重も落ちると聞いてまさか!?と思いましたが、実際
そうなのかもしれません(笑)。とにかく、身の回りを少しシンプルにすると、見えなか
ったものが見えてきます。それは、人生にとって一番大切なものとか、あきらめずに
夢を手に入れる事とか、自分の人生の卒業の時までに、やっておきたい事などです。
それでは、リッチな内面、自分の心の中の知恵の泉は、どうやって汲み上げたらいい?
と思う方もいらっしゃるでしょう。これは、学校では教えていませんから。私は数年前
から、仲間達と「Wisdom Circle(知恵の輪)」という集まりを始めました。これは元々
アメリカ原住民インディアン達の生活習慣からきているものです。ウィズダム・サークル
を通して、自分の中にすでに知恵の泉があったと気づくのは、とても興奮する事です。
自分を見直してしまいます。知恵の泉は、自分の無限の可能性に気づかせてくれます。
すると、毎日の身の処し方、人との付き合い方、進むべき方向の見極め方などに影響
が出ます。「時間がもったない」「エネルギーのムダ使い」等という事が、自然に理解で
きるようになるからです。これも、シンプルに生きる道に繋がります。私の場合、シンプル
に生きるとは、科学技術の進歩等を無視して原点に帰り、自然と共に生きるとか、お金
のかからない生活をするという理解ではありません。あくまでも、その人その人の本音
に基づいて、心地よい心の環境を作ること。そして、その生活環境にそぐわないもの、
不必要なものを手放すという事です。ですから、人によって、心地よい環境は違います。
かつて、車が好きで何台も所有していた人が、シンプルに生きようと、1台を残して、全て
手放しました。すると、シンプルで快適な人生になるはずが、思いにムリがあったので、
好きな物を手放すという事が、かえって心の飢餓感になってしまいました。イライラが
募り、人間関係にも影響してきました。それでは、心地よい環境とは言えません。建前
ではこういう生き方をしたい。でも、本音は違ったのです。他人から見ると、贅沢で余分と
見える事が、その人の心の環境を豊かに心地良くするなら、それは大切なものなのです。
私もドライブが大好き。車でどこでも行ける自由さは、私に心地良い心の環境をプレゼント
してくれます。そんなところから生み出される心の余裕が、人との出会い、講演会、 執筆
等に広がっているのを感じます。湘南の海岸線をドライブして帰って来た後、思い立って
昔の写真の入ったいくつもの大きな箱をクローゼットから出し、スッキリ処分し、小さな
靴箱サイズ2個分にまとめてしまいました。何だか過去に縛られず、今に生きているっと
いう感じがして爽快でした。皆さんもムリをせず、心にとって快適な環境作りを目指して、
周りを見回してみませんか? 「自分の心にとって、快適な環境に身を置くと、そこから
出る言動は、愛と調和に満ちたものになる」と知恵の泉が教えてくれました。
/中野 裕弓
♪今日の日々の勤しみ “生きながらにして天国界を生き、人として生きながら神となる”を目指している大先輩Tさん、お誕生日おめでとうございます。