イマドキの就職事情は、完全な買い手市場だ。まして会社は都合の悪い事は一切言わない。だから、入ってみなければ
わからない事だらけだろう。都内の創業昭和37年のこの会社は、まず基本給と書いてあった金額は、実は給与だった。
つまり、基本給はその6割で、後は全て手当て。それでようやく基本給の金額になる。昇給も賞与もなし。初日に何も
わからぬまま、何枚もの誓約書を書かされた。そして、驚いたのは自分の机というものがなく、業務は雑用係そのもの
だった。50人相手のお茶当番の日は、1時間前に出社しなければならない。若い女性の前任者は、自分のポストを奪わ
れるのではないかという疑心暗鬼から、きちんと仕事を教えない。というより教えるだけの能力がない。彼女は社内の
問題児であるにもかかわらず、もう1年半もクビがつながっている不思議。暗黙の了解で、お世話係を押し付けられた
格好だ。ほとほと嫌気がさし、退職願を部長に出したが、一向に受理されず。「たかが雑用で何をほざくかっ」と露骨に
言われる始末。ここで、この方が確信したのは、ハローワークからの紹介だと、失業手当を払う前に、何としてもどこか
の会社に押し込まねば的お役所事情が見え見えだったという事。日々、「自分の直感を信じれば良かった」という後悔
のMailが届く。それだけ追い詰められてるのだと思う。いくら自分で選んだとはいえ、心の中の声は明らかに「No!」と
言っていた。これは面接の時点というより、その会社の建物の中に入った時から、すでに感じていたのだと言う。こんな
前近代的な会社が、まだまだ今の日本にまかり通ってるんだろうなぁ。劣悪な勤務条件の元で働いてる人達は、毎日
生き地獄だと思う(泣)。今朝、氏神様の前にある郵便局で、ふと見上げると「かけがえのないあなた かけがえのない
私」という人権週間の大きな垂れ幕がかかっていた。今まで何度も来ているのに、全く気づかなかった。今日に限って、
ハッキリ見えた。いや、見させられたんだと思う。思わず声に出して読んでみた。これこそが答えだと言わんばかりに。
でも、私にとやかく言う権利はない。全ては本人が決める事なのだから。でもね、やっぱり言わずにはいられない。
“かけがえのないあなた”が、長く安心して働ける所ではないと思うよ。どうか今日一日、無事でいて下さい。
♪今日の氏神様 朝イチでこの鈴を鳴らす度、私と空庵にご縁のある全ての人々が、健康で平和でありますように、と切に願う。