私が北海道でお会いした武道家・吉田始史(もとふみ)先生から、サイン入りの著書
「運動基礎理論が教える武道のコツでスポーツに勝つ!(BABジャパン刊)」を頂いて
数ヶ月。いつもPCの脇に置いて、ふとした時に読み返している。この吉田先生の目標
というか、参考にしたのが「稽古照今(けいこしょうこん)」という言葉だった。ふ~ん。
「古きを考え、今を照らす」という意味だそうな。昔、道場等に試合を求めて来た人の
実力を判断するために、その人が履いて来た草鞋(ワラジ)の踵(かかと)の減り方
を見て、判断したと言われている。その判断の方法とは、「踵の外側が減っていれば、
大した事はない」、だが「踵の真ん中が擦り切れていれば、コイツはできるから気を
つけろ」という事らしい。なぜ、踵が真っ直ぐ減るのが良いのか? そうなる事によ
って、足・体の動きに、どのように作用するのか? 吉田先生は履き物を何度も変え、
まっすぐ減るように歩く事で、膝・大腿、あるいは上体にどのような影響を与えるのか、
いつも考えていたそうな。私なんて、悪い歩き方の典型かもしれない(泣)。つまり
筋力がなく、大腿四等筋の発達もないため、爪先は内側。これは女性に多いらしい
けどね。良い歩き方とは、内転筋を使い、膝を縮めるように歩くため、踵の真ん中か
ら減っていく。剣豪・宮本武蔵も普通の歩き方こそが、最高の動きだと考えていた。
それは、闘いに使うエネルギーを一番多く含んでいる動きであり、武蔵は「陰陽の足」
と呼んでいたんだよね。本屋には、いっぱい五輪書について書かれた本が出てるけど、
「宮本武蔵 五輪書入門(奈良本辰也著:学研M文庫刊)」はわかりやすくて、内容の
濃い~1冊だったね。「五輪書」が書かれたのは、今から361年前の寛永20年(1643年)
から、正保2年(1645年)の2年間だ。書き終えた時、武蔵は62才になっており、その
わずか7日後、正保2年5月19日に病気で亡くなった。武蔵が剣を通して学んだ事、これ
こそが、奈良本さんの言う「一芸に達したものが持つ、万能の力だ」と思う。ホ~ント
全てに通じるんだよ。海外で翻訳されたのも、十分わかるなぁ。たかが歩き方、されど
歩き方。ふと自分の靴の踵を見たら、おもいっきり大したコトない奴だったぜ(笑)
♪今日のお初:山形のさくらんぼ 東大阪のKさん、いつもどうもありがとうございますぅ。甘くておいしかった。シアワセ~♪