ぽーーーーん・・・・・
かっつーーーーん。
こつっ、こつっ、こつっ。
校舎の非常階段に座って、小石を放り投げてみる。
ほんとは、ケータイ投げてみようかと思ってた。
海のない場所に住むワタシは、海に向かって「ばかやろぉーーーーっ!!」
と叫べない代わりに、見晴らしの良い場所で深呼吸なんかしてみる。
しんどい時はそれすら上手く出来ないけれど。
標高の高い分、薄い空気の中で酸欠の金魚よろしく口をパクパクさせてみる。
ケータイが鳴らなくなって、もうどのくらい経つんだろう。
朝・昼・晩と、生存確認 するかのように、メールが届いていた時はその 束縛 を
シアワセ だと感じていた。
でも、その 束縛 を 重荷 と気付いた時点で、2人を繋ぐ何かが変わった。
PCなんて電源入れなければただの箱だし、ケータイだってマナーモードで留守電
設定しておけば、気付かないフリはいくらでも出来る。
シアワセだと信じていた時には、見えない何かで繋がっていた。絶対。
でも、その何かは少しずつ形を変え・・・ もしかしたら今はもう、消えてなくなって
しまったのかも知れない。
ちょっとお尻が冷えてきたから、立ち上がって伸びをしてみる。
3階建ての校舎だけど、この辺りは田舎で高い建物はないから向こうの方の山並み
まで ずうっと見渡せる。
もう一回深呼吸してみようか。
・・・そう言えば、夏に一緒に花火大会に行ったっけな。
打ち上げられた花火達の 花が開いたその場所は。
今 ワタシの立ってるところより 高かったんだろうか? 低かったんだろうか?
体温を感じられたあの時は確かにシアワセだった。
それは今でも揺ぎ無い確信として ワタシの中にある。
何がいけなかったんだろう、と。
今もずうっと考えている。
時々、口をぱくぱくさせながら。
時々、涙を流しながら。
「おかぁーーーーさーーーん!」
しまった。
息子たちの授業参観 サボってここに来たんだっけ。
どうも、他のお母さん達の 一種華やいだ 独特の喧騒の中にいるのは苦手だ。
さぁ、一緒に帰ろうか。
「何で『終わりの会』まで見てくれなかったのぉ~」と文句を言いながらも、
けたけたと笑い転げる息子たち。
ワタシのケータイの待受画面は、息子たちの画像である。
♪今日のお題「シアワセ」 にゃおんさん、お疲れ様でした&ご協力どうもありがとうございます! 私からの“ほ~んの気持ち”を待っていて下さいね。