僕らの中には、色んな感情があります。楽しい気持ちや、うれしい気持ち、悲しい気持ち
や怒りの気持ち。喜怒哀楽という文字が表わすように、素直に出てくる色々な感情が存在
している事は、誰でも知っている事です。全ての気持ちを素直に表現する事ができれば、
とても楽に生活できるし、それはとても健全なことです。しかし、時々それを隠してしまお
うという感情が現れている事があります。その感情を出すことによって、自分のプライドが
傷つくように感じてしまう事や、周りとの調和が乱されてしまいそうに感じる時です。見栄
を張ったり、優位に立とうと思ったりして、自分をありのまま以上に見せようとしまう気持
ちや、嘘をついたり、怠けようと思ったりする、自分の悪いところを隠そうと思う気持ち
です。そんな嫌な感情の多くを隠そうとしている自分。とてもがんばっている自分の姿で
もあります。そのような気持ちを隠しているうちに、自分はそんな人間ではないと、自分
を信じるようになります。そんな気持ちを持っている自分を忘れてしまうという事も、よく
ある事です。しかし、残念ながら隠しても、忘れても、そういう感情が自分の中から消え
去ってしまっているかというと、実はそうでもない事が多いといわれます。結果として、
無意識のうちに優位に立とうとしていたり、無意識のうちに言い訳をしていたり、あるい
は人を非難していたりという行動に出ていたりという訳です。自分でありのままの姿を
忘れてしまった結果として、社会との間に不適合を起こしています。これを不誠実な状態
といいます。自分では、不誠実だとは思っていないのに、うまくいかない状態が起こると
いう訳です。自分の良いところも悪いところも、みんな認めて、自分自身を愛する気持ち
を持つ力を「自己肯定力」といいます。自分のありのままを認めてしまうと、素直に反省
する事ができるようになります。虚栄する気持ちも、言い訳する気持ちも消え去ります。
「嘘つきでごめんなさい」と言えるようになるという訳です。これをもって「自己一致」と
いいます。自分で自分の姿が、理解できている状態です。誠実な姿です。自分が誠実
になれると、人のことも誠実に見ることができるようになります。人の良いところも、悪い
ところも肯定的に感じる事ができるという事です。そのまま共感する事ができるようになる。
人を尊重する事ができるようになるといわれているのです。謙虚であるという事が、人を
持ち上げ、自分を蔑む感情であると考えては、誠実な行動にはなりません。謙虚である
とは、ありのままの自分を認め、ありのままの相手を肯定すると捉えたいものです。大切
な事は、虚像を認め合うことではありません。実像を肯定し合うことです。昨今、あらゆる
ところで「コミュニケーションスキル」を向上する学びがある中で、今一度、底流にある
のは「誠実な姿勢」である事を確認したいものです。自省をこめて・・・
/山本 正樹(経営コンサルタント、株式会社理想経営 代表取締役)
♪今日のフラフラ立ち読み「TOKYOカフェ」 行きたいカフェだらけ。どこもセンスいいんだよね。空庵もこんな風にできたらなぁってゆーヒント満載♪