2003 年 12 月 16 日 のアーカイブ

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大切なもの

2003 年 12 月 16 日

夏の甲子園に出場する高校は44校、全国に高校野球をやっている学校は4,000校あって、甲子園にやって来る子供

達は、100分の1の確立でやって来る。朝出手当も出ないのに、早くから自分でおにぎり作って、自転車に乗って一生

懸命ノックを受けて、ボロボロの目に合いながら、「ありがとうございました!」って言う。終わった後も、歌えるかどう

かわからない校歌の練習を、夜遅くまでする。そうして9時ぐらいまで練習して、キコキコと戻って来る。夜勤手当も

出なければ、誰にも評価されない。で、結局こうやって練習している子の100分の1が、甲子園に集まるけど、始まって

1回戦で負けて、帰る子供達とかがいる。可哀想だけど。それで、最後まで勝って終わるのは、全国4000校の内1校。

3999校は、みんな負けて終わる。どうせ最後、負けて終わるのに、バカみたいじゃないですか? 人生成功なんてない

んですよ。で、バカみたいだなって思うのだけど、みんなダグアウト降りて、帰って行く時に泣いてるけど、あれが

惨めな涙だと思う人は、世の中にいない。負けて帰っているのに、何で惨めな涙じゃないのだろう。じゃ、何なのだろ?

悔しいよね、確かに。確かに悔しいけど、そこに彼らの美学がある。後悔してない。そういうのは、今まで一緒に努力

もしてきた汗だったりとか、少々くさいけど、がんばってきた友達とか。要は、そういうプロセスを楽しむというか。

プロセスを楽しんで、負けた時に涙を流すんだけど、この涙を流すために、がんばってきたと思ってる。少々、職業病

的な事を言うけれども、僕はトーナメント図を見ると、会社の組織図を思い出す。会社の組織図の場合、そんな風に

いかない。1回戦勝った人が課長になり、2回戦勝った人が部長になったりする。上にいけば上にいくほど、熾烈を極める。

ドロドロして。更に言うと、人事異動があった時に、今度は自分が営業部長だと思っていたのに、ふと自分の後輩が先に、

人事部長になった瞬間に、「終わった」って思う。笑えない。笑えないし、飲みに行ってもつまらないし、自分の人生

終わったような気持ちになる。砂を噛んだような気持ちになる訳です。じゃ、なぜ高校野球の子供達は、すごく熱い涙を

流すのに、お父さん達は濡れ落ち葉にならなきゃいけないのか? それは、きっと子供達は、その仕事の充実感という

のがどこにあるのか、精神的にすごく良く理解できていて、お父さん達は、この仕事の先に何があるのかという事を、

全く理解してない。つまり、外枠の「勝った負けた」とか、「給料が高い安い」とか、「たかだかボーナスが2万落ちた」

ぐらいで、ガタガタと言ってみたりね。そういう事を一心に生きているから、つまらない人生になってしまう。結局

人生は、死んで終わるから、負けて終わるのです。みんな負けて終わるようなもんなんです。負けて終わる美学って、

あってもいいと思っていて。今、負けている状況の人が多いから。そういう意味では、大事なのは最後に勝ったか、

負けたかという事ではなくて。みんな結論から言えとか言うけれども、本当は結論じゃなくて、結論に至る道のりで、

「あの時は金がなくて、大変で苦しんだね」とか「あの時は、寝ないで仕事したね」とか、そういうのがいい思い出に

なって終わる。そういう仕事の仕方をしないと、結局、何やったって後悔が残ると思う訳。子供達さえできる事なのに、

何で大人の僕らができないのか? 皆さんは、子供の頃の純粋な気持ち、覚えていますか?

/山本 正樹(経営コンサルタント・株式会社 理想経営代表)

♪今日のシンクロ 未空両親が神戸から帰って来た。お土産の七福神の御守りが、夢に出て来たアノ先生と同じ名前の神社だったなんて、ウッソー!

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