現状にぶら下がりつつ、背中を向ける。「やりたい事がわからない」という人に、
「なぜ?」とその理由を聞くと、おおむね次のような答えが出てくる。
なぜ?がわからない。
現状に不満がある。
自分に今、やりたい事がない。
この場所にやりたい仕事がない。
今の人生に生きがいがない。
これらはニュアンスが違うけれど、根底は同じだ。「やりたい事がわからない」と
いう現状不満からは、一面では、この現状を打破して、もっとやりがいのある仕事
や生活を送りたいという積極的なエネルギーが出てくる事がある。ところが「やり
たい事がわからない」という人の多くには、とりあえずは、今の人生を充実して生き
よう。今の仕事に懸命になろう。そして、そこから少しでも前進しよう。また自分の
引き継いだものを、少しでも発展させていこうという前向きな心性を見い出す事
ができないのである。この今の「自分」を充実させ、変えることに関心が向かず、
ただ自分の人生を、別な場所、別な条件に「ずらす」ことを求めている。だから、
実状はただ、現状に不満を持ち、現状に積極的に関わらず、現状にぶら下がり
つつ「放棄」するという生き方に終始するのだ。少しきつく言えば、現状に寄生し
ているのに、もっと良い寄生先がないかと、漠然と考えているようなものである。
/鷲田 小彌太「人生にとって“仕事”とは何か?(PHP文庫)」より
♪今日のクラッシュ♪ キーボードが突然、謀反を起こした(号泣)。大丈夫かなと迷いつつも、すぐに八五郎さんに電話したAM11:58の悪夢・・・