2003 年 2 月 27 日 のアーカイブ

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悲郷

2003 年 2 月 27 日

帰って来ると、未空父がいなかった。「どこ行ったの?」「新潟」と未空母が答える。「えっ? またぁぁぁ~。

だって、行ったばっかりじゃん」「そうなんだけど。また行かざるえなくなって・・・ 亡くなったのよ」「はぁ?

誰が? いつ?」「昨日かな。Kちゃんっているでしょ?」「あ~、あのカワイイおばちゃんね」「あの息子さん」

「えっ? Kちゃんじゃなくって、息子さんなの? だって、まだ若いでしょ」「そうよ。だって、この間のSおじ

さんのお葬式の時に来てたもん」「それじゃ、事故か何か?」「ううん。そうじゃなくて・・・ 自殺なんですって」

一瞬、言葉を失った。享年48才。独身で、70代の両親と同居していた。「Kちゃんの気持ちを考えると、胸が痛ん

でね」と未空母は言う。今夜がお通夜で、明日が告別式。Kちゃんは92才の祖母の妹だ。今回亡くなった男性は、

未空父の従弟になる。「独身だったし、だんだん年を取ってきて、寂しかったのかしらね」と周りは想像するの

だが、それはあくまで推測にすぎない。本当の理由は、その人にしかわからないのだから。それにしても驚いた。

また2月に、新たな命日が刻まれていく。未空母は7人兄弟だったが、4人お腹の病気で亡くなり、3人兄弟の次女だ。

その当時、未空母が住んでいた田舎では、親より子供が先に死ぬのは、親不幸という理由で、焼き場に両親は行け

なかったそうだ。今から考えると、小さい棺に入った我が子が、灰になるのを見るのは、親として耐え切れないだ

ろうという配慮から生まれたんだと思う。自殺した人間を責める気は毛頭ないが、やはり年老いた両親の気持ちを

考えると、つらい。気が狂わんばかりだろう。Kちゃん夫婦は今、どんな夜を過ごしているのだろう。「死」は常に、

残された側の問題だからだ。今日、空庵が全て正常に戻った。きっと息子さんが悪い所を持って行ってくれたのだ

ろう。やはり、人の死には意味があると思う。私は静かに手を合わせた。息子さんには罪はない。どうか安らかに・・・

♪今日のラララ~ン♪ 空庵が全て正常に戻った(号泣)。八五郎さんに感謝だ。風邪っぴきの中、本当にご苦労様でした!

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