今の時期になりますと、イエス様が家畜小屋で誕生された場面がモチーフとした
「キリスト降誕劇」がよく演じられますよね。イエスの母マリアは、ヨセフと共に
ベツレヘムに旅している時に、その地で月が満ちて、イエスを出産しました。
ベツレヘムの宿は、どこも客で一杯だったので、彼らは泊まる所がなく、マリアは
家畜小屋でイエスを出産し、そしてイエスは、飼い葉桶に寝かされた事が聖書に
記されています(ルカの福音書2章)。アメリカのある教会では毎年、村をあげて
「キリスト降誕劇」をする事になっていました。子供達も総出演です。ある年の
クリスマス、子供達の中に、1人の知恵遅れの男の子がいました。大人達は考え
たあげく、彼には「宿屋の主人」の役を当てました。セリフは、マリアとヨセフに
向かって、「だめだ! 部屋はない!」と言う一言だけの役でした。でも、男の子
は一生懸命、毎日練習したのです。さて、降誕劇の当日。その男の子が、セリフ
を言う場面です。みんなハラハラドキドキしていました。しかし男の子は、「だめだ!
部屋はない!」と立派に大きな声で言いました。そして、みんながホッとしたその時
でした。疲れた表情で足を引きずりながら、家畜小屋に向かって行くマリアとヨセフ
の後ろ姿を見ていたその男の子の目に、見る見るうちに涙があふれました。そして、
男の子は大声で泣き出し、ヨセフに走り寄って、こう言ったのです。「ヨセフさん、
行かないで! 家畜小屋は寒いから。イエス様が風邪をひいてしまうから。僕の家
に来て。僕の家に泊めてあげる!」。この男の子は、確かに多くの事を理解する力
は持っていなかったのかもしれません。しかし、この男の子は、本当に大切な事を
しっかりと知っていたのではないでしょうか? ひょっとすると私達は、どうでも良い
事ばかり知っていて、本当に大切な事を忘れかけてはいないでしょうか?
♪今日のココロ踊るコト♪ 年賀状の原案が出き上がる。後は1人1人の顔を思い浮かべながら・・・