ある森で、カエルがグループになって移動していた。ところが、途中に落とし穴があり、
2匹のカエルが誤って落ちてしまった。その事に気づいた仲間は、穴の周りに集まり、
心配そうに「大丈夫か? 大丈夫か?」と声をかけた。2匹のカエルは、必死にジャンプ
をして、何とか地上に戻ろうとするが、どうしても穴から飛び出す事ができない。後もう
少しのところで、地上に手をかける事ができない。そのうち、1匹のカエルは、もうダメ
だと思ったのか、飛び上がる事を止めてしまった。そして、しばらくすると力尽きて、
そのまま死んでしまった。穴の上では、皆が何か口々に叫んでいるようだ。それを見な
がら、もう1匹のカエルは、仲間の所へ戻りたい一心で、穴から出ようとジャンプを続けた。
そして、やっとの思いで、穴から這い上がり、仲間の元に戻る事ができたのだった。さて、
助からなかったカエルと、助かったカエルの違いは何だったのだろうか? 実は、助かった
カエルは、耳が聞こえなかった。上にいたカエル達は、2匹が必死に飛び上がっても、なか
なか上がれないのを見て、最初の励ましは、こんな言葉に代わっていた。「そんな事をして
もムダだ。希望を捨てろ! 体まで傷つけて死ぬ事はない。見ていられない。そこでおとな
しくあきらめろ」。耳が聞こえるカエルは、それを聞いて、その通りにしてしまった。ところが、
耳が聞こえないカエルは、皆が口をパクパクしているのを見て「がんばれ! がんばれ!」
と言ってくれているものだと思っていた。そして、絶対に上がれると信じて疑わずに跳び続け、
仲間の所に戻れたのだった!
♪今日のBGM♪ 岩代太郎:作曲「PARADIUM」という曲に、聴きホレてしまった。うっとり・・・