2002 年 9 月 18 日 のアーカイブ

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Yさん

2002 年 9 月 18 日

連日の北朝鮮拉致問題のニュースを見る度、胸が張り裂ける思いがする。残された家族にとっての20年とは、

一体どんなものだったんだろうか? 私にはとても想像ができない。大切な娘を13才の時に拉致された父親は、

「長くても1週間ぐらいで、解決すると思っていました」と語っていた。ある時、漁船の網に身元不明の小さな

頭蓋骨が引っかがり、警察から電話がかかってきたという。歯型を照合したところ、娘ではなかった。ホッと

した。一つ一つの話を耳にする度、北朝鮮のあまりに悪質で、信じ難い「拉致」という手口に、はらわたが煮え

繰り返る思いだ。絶対に許せない! 何の罪もない人間が、たまたまそこにいたというだけで、勝手に他国に

さらわれて行き、そしてすでに多数の人々が死亡していたという惨い現実。こんな事があっていいのだろうか?

人間として許されるんだろうか? 私にはかつて、北朝鮮拉致問題に深く関与しているYさんという友人がいた。

すっかり過去形になってしまったが、彼女とは同じ学校に通い、心理のクラスで一緒に勉強していた仲間だった。

初めて彼女を見た時、雰囲気が違うなぁと感じたものの、別にそれ以上は思わなかった。なぜか私に好感を持って

くれ、一緒に食事をしながら、お互いの将来の夢を語り、その頃ツラい恋愛をしていた私をずいぶん慰めてくれたっけ。

玄米食で有名なレストランに自ら予約を取り、連れてってくれた事もある。そんな中、彼女の衝撃的な過去を聞いた。

最初はとにかく信じられなかった! でも、彼女が嘘をついていなかったとわかったのは、週刊誌にYさんの手記が

連載されたからだ。彼女の名前を見た瞬間、我が目を疑った。やっぱ本当だったんだ! 紛れもない真実だったんだ!

その頃、もう学校にも来なくなり、音信不通状態となっていたYさんは、かなり危険な状態になっているのではないか

と心配になった(泣)。何しろ相手は北朝鮮だ。頼むから無事でいてほしい。TVで記者会見に臨む彼女の凛とした顔

つきには、かなりの決意が現れており、もうかつてのクラスメートだった頃の面影はない。拉致された家族に深々と頭

を下げ、真剣に謝罪をしていた。彼女の人生を賭けた、命がけの闘いが始まっているのだ。もう私は見守るしかない。

実は、彼女だって被害者なんだよ。でも、犯した罪はあまりに大きく、取り返しがつかない。深い業を背負ってる人だ。

短い間だったが、Yさんとはラポール(信頼)が取れていたと思う。カウンセラーというより、一人の人間としての私

を応援してくれた人でもある。あの頃より、少しは成長できたかな? 彼女の人生を思う時、その苛酷さと運命の惨さ

に胸の詰まる思いがする。いつもリュックに入っていた大切なトトロの人形を見せてくれたYさん。うれしかったよ。

色々な事を思い出してたら、急に涙が出てきた。いつも遠くから見守ってるからね。そして、いつの日かまた、玄米

食のレストランに一緒に行こうよ。今度は私が予約するから。Yさん、あなたに会えて良かったです。どうもありがとう。

だから、絶対絶対無事でいて下さい!

♪今日のいいコト♪ 太極拳が伸び伸びできたような気がする。昨日の鍼灸のおかげかな。それにしてもS先生は達人だなぁ。

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