芸人B&B島田洋七さんの、めちゃめちゃ明るいおばーちゃんが、彼に残した言葉が、
「優しさは、気づかれたらやめなさい」だった。小さい頃から、「人に優しくしなさい」って
言われてきたよね。困っている人がいたら助け、悲しんでいる人がいれば、一緒に
なって涙を流す。それが優しさだと教えられてきたよね。でも、そういう事が、いつしか
自己満足になってる事ってある。本当の優しさは、香水と同じ。ほのかに香るくらいがイイ。
わからないのが優しさなんだよね。思いがけないプレゼントをする事が優しさじゃなくて、
「お返しをしなきゃ」と思わせない事が、優しさのセンスなんだよね。気づかれない優しさ、
気づかないフリする優しさ。島田洋七さんが小学生の頃。運動会での楽しみは、家族で食べる
お弁当だが、彼はいつも一人だった。お弁当も、ただの梅ぼし弁当。一緒に食べる人がいない
ので、いつも一人教室で食べていた。ある時、お弁当を食べようとしていたら、教室に担任の
先生が入って来た。「オイ、先生ちょっとお腹が痛いから、お前の弁当と換えてくれないか?」
先生の弁当は豪華だ。食べた事もないウインナーも入っている。島田さんは「ラッキー!」だと
思った。遠慮せずに、思いっきり食べた。翌年の運動会。教室で一人食べようとしてたら、
ガラガラッと教室のドアが開いた。担任の先生だった。「オイ、先生ちょっとお腹が痛いから、
お前の弁当と換えてくれないか?」。島田さんは、またまた「ラッキー!」だと思った。
今度もまた、遠慮せずに思いっきり食べた。ある年から、担任の先生が代わった。女の先生
になった。「あーあ、今年の運動会は、もう先生は来ないだろうなぁ」。その年の運動会、一人
教室で食べようとしてると、ガラガラッ・・・ 今度は、新しいその女の先生が入って来た。
「先生、ちょっとお腹が痛いから、お弁当換えてくれる?」。島田さんは、不思議に思った。
家に帰って、大好きなおばーちゃんに言った。「なぁ、おばーちゃん。ウチの学校は、不思議
な事があるんや。運動会に限って、先生のお腹が痛くなる」。そこで、初めて先生の優しさを
知った。次の年、島田さんはどうしたんだろう? 多分、次の年も、その次の年も、先生の
お腹は痛くなるに違いない。同じように気づかないフリをして、先生のお弁当を食べてほしい
と思った。「気づかれない優しさ」が、本当の優しさならば、「気づかないフリ」する事も、
優しさなんだよね。
★優しさは、気づかれないようにしよう
★優しさに、時には気づかないフリをしよう
♪今日のいいコト♪ 500円玉貯金を使っちゃおっかなって思う甘~い誘惑が勃発。フッフッフッ。