「そこにいる」
その昔
創造と奇跡を司る神と
慈悲と悟りを司る仏は
実際に肉体を持ち
人々と共に暮らしていた
人々ははじめ
自分ではどうしようもできない
そんな問題が起きた時にだけ
神や仏に救いを求めた
しかし時がたつにつれてだんだんと
人々は自分で解決するという事を忘れ
ちょっとしたこと何でもかんでも
神に求め仏にすがるようになってしまった
神と仏はこれではいけないと考え
ひとまずどこかへ隠れることにした
あれこれ相談した結果
人間に聞かれないよう
ひそひそ声でこう言った
「よし、うんと小さくなって
人の心の中に隠れよう・・・」