2000 年 11 月 13 日 のアーカイブ

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喜ぶ

2000 年 11 月 13 日

先日、届いたメルマガより

昔、ある国の王様の元へ、旅の商人から、1匹の金魚が献上されました。

王様は、こんなに美しい生き物は初めて見たので、たいそうお喜びになられて、

商人にたくさんの褒美を取らせました。そして、ガラスでできた小さな水槽に

金魚を入れ、近くに置かれて、いつまでも飽きずに眺めておられました。

そんなある朝の事、王様がいつものように金魚の所へ行ってみると、金魚は

水面に浮いて、口をパクパクしています。何やらとても苦しそうにしているのです。

王様は慌てて、国中の有名な学者や医者をお呼びになり、金魚の手当をするように

命じられました。ところが集められた学者や医者は、頭を抱えてしまいました。

何しろこの国には、今まで金魚など1匹もいなかったのです。どうすれば金魚が元気に

なるかなど、誰にもわからなかったのです。

ある医者は、こんな提案をしました。「金魚とて生き物じゃ。良い薬をやれば、きっと

元気になるじゃろう」。そこで国中から、貴重な薬草や高価な薬が集められ、それらが

さらに調合された物が、惜しみなく水槽の中に入れられました。しかし、金魚は元気に

なるどころか、ますます苦しそうに口をパクパクするだけでした。

またある学者は、こう言いました。「どんな弱っている者でも、美しい宝石や財宝に囲まれ

れば、必ず元気を取り戻すだろう。きっと金魚も同じに違いない」。今度は、国中の宝石や

貴金属がたくさん集められ、水槽のまわりに並べられました。もちろん金魚は、そんな物には

目もくれず、あいかわらず弱ったままです。困り果てた学者たちの中には、とうとうこんな事を

言い出す者も現れました。「大きな家に、輝く名誉。それを手にして良い気分にならぬ者はいない!」

金魚のために、大急ぎで立派な宮殿が建てられました。金魚は大臣に命じられ、王様より勲章を

賜れる事となりました。そして金魚が水槽から出され、大臣の椅子に乗せられた時です。

金魚を献上した商人が、たまたま通りかかり、慌てて金魚を水槽の中に戻しました。

「何という事をしているのです?! これでは、金魚は死んでしまいますよ!」

商人は、水槽の水をきれいに換えてやり、水草を入れたり、金魚の喜ぶ食べ物を与えました。

すると金魚は、たちまち元気を取り戻し、うれしそうに泳ぎ始めたのです。ポカンとしている

学者や医者達に向かって、商人はこう言いました。

「そうですよ。金魚のためには、名誉も財宝もいりません。ただ金魚が喜ぶ事をしてあげれば良いのです」

・・・そうなんだ! この「喜ぶ」っていう気持ちが大切なんだよね。私もこれからはできるだけ、

ココロの喜ぶ人とだけお付き合いするようにしたい。“空庵”の皆さん、こんな私と仲良くしてね♪

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