以前、心理療法の先生に「相手の話をただ黙って聴いてあげる事が、
カウンセリングの第一歩なんですよ。今の時代、皆忙しくて人の話を
ゆっくり聴いてあげられる事ができないんです」と教えてもらった。
アメリカの心理学者にエリック・バーンという人がいる。
彼の著書「交流分析理論」によれば、人間は根本的に“自分を受け入れて
ほしい”“ほめてほしい”と思っているし、“その価値を認めてほしい”
と考えているらしい。具体的な行為としては“相手をほめる事”“じっと
目を見る事”“うなづく事”“認める事”“抱きしめる事”頭をなでる事”
等があげられる。つまり相手を認め、肯定するという事だ。
カウンセリングの基本は、受容・共感・傾聴。私はこれにもう一つ“明確化”
というのを加えたい。なぜかといえば、この明確化する事で、私がとてもラク
になれたからだ。気が狂うかと思うほどの不安、寂しさ、孤独感・・・一体、
これらは自分の心のどこから来るものなのか? なぜそうなってしまうのか?
一人で全てを明確化する事は難しい。しかし、必ず解決の糸口は見つかるのだ!
私は明確化できた事で、中心座標をどこに置くべきなのかが、おぼろげながら
わかってきた。何だかとても抽象的な話になってしまったが、今回わかった事は、
執着すると見えなくなるという事。一旦、離した瞬間に我に帰って、道が開けて
くるという事。すると新たな自分に生まれ変わって、過去のとらわれから解放される。
明確化する事は、真実の姿を知るという怖い作業でもある。しかし、これができないと
私自身が前に進めない。これからは不安や寂しさ、孤独を抱えながらも、なお前進して
いけるような気がする。今、私はようやくニュートラルな状態に戻れたのかもしれない。
明確化する事の大切さを教えてくれたK先生は、まさに私の人生の師でもある貴重な存在だ。
このK先生との運命的な出会いに、心から感謝している。どうもありがとうございました!