続・Money, Money, Money
そして、会長の「いかがですか? 悪い話じゃないでしょ。売るなら今ですよ、
今」という刷り込みが、地主の心の奥深くにスーッと染み込んでいく。まるで
催眠術にかかったかの如く、地主はボーッとなり現ナマを見つめる。
こんな大金は自分の人生に2度と入って来ない。
今、この土地を売れば、これが全部自分のものになるんだ。
そうだ、今がチャンスじゃないか。
Hさんは「あともう少しだ。あとちょっとで奴は完璧に落ちる・・・」と思いながら、
黙って現ナマを見つめる。そして、最後には例外なくサインするんだとか。
この“例外なく”というところが、人間の欲を物語っている。
つまり、誰も現ナマの誘惑には敵わないのだ。Hさんは「やっぱ現ナマの魅
力ってスゴいんじゃないの。魔力だよ」としみじみ語っていた。私もそう思う。
懐が温かくなるってホントだもんね(笑)。
私が今まで目の前で見た現ナマの最高額は1千万円。高さは全然大した事
なかったが、稼ぐには大変な金額だ。未空弟1号は銀行員なので、億単位の
お金を見た事があるそうだが、そんな大した事ないよと言っていた。慣れと
は恐ろしい。
当時の会長の愛人は私とさほど年の変わらない人で、それまではお母さんが
愛人だった。つまり、母娘2代で同じ男性の愛人をしているのだ。ウワサでは
お母さんが娘を差し出したというが、男女の関係は色々な憶測が飛ぶ世界で
もある。
娘は歌手志望で、確かCDを出したとか聞いたなぁ。もちろん衣装もレコーディ
ング代も全て会長持ちだ。こういう関係をギブ・アンド・テイクというのだろうか。
「好きな人はいないの?」という私の無知な質問に、「うーん、まぁ。これも
お金のためだから」と半ばあきらめた風に笑っていた。今だったら決してそん
な質問はしなかっただろう。若いって残酷だよね。彼女に対して今でも申し
訳なく思っている。あの母娘は今頃どうしているのだろうか。
人生いろいろ、女もいろいろ。それぞれが幸せであってほしいと心から願う。
♪ギャラリ カタカタのトイレには、青ガエル君が待っていた。ペーパーを巻き取ると、カタカタと音がするんだよ。こういうのって日本では売ってないよね。なかなかキュートだわ。