時計草の家
じもてぃーで片っ端から用事を済ませた後、いつもと違う
道を通って帰ろうと思い、線路に近い小道を曲がった。
何の期待もなく・・・
すると「こ、この花は一体、何なんだ?」と携帯のカメラ
を握りしめてしまった。うわーっ、スッゴーいスッゴーい!
携帯カメラを接写モードに切り替え、必死に覗き込むワタシ。
それにしても、何たる複雑なっ! 一人コーフンの坩堝で、
雄叫びを上げていたちょうどその時、「写真は綺麗に撮れ
ましたか?」と後ろから声をかけられた。振り向くと、この
花の家の住人の方で、思わず・・・
未空 「あっ、勝手にすみません。あまりに綺麗というか、複雑というか。つい見とれちゃって」
住人 「いいんですよ」
未空 「この花は何という名前ですか?」
住人 「時計草ですよ」
未空 「時計草ですか。す、スゴい花ですね。初めて見ました」
住人 「私も最初に見た時は、もう驚いてしまって。近所の方のお庭で見たんですけど」
未空 「結構、有名なんですね。でも、花屋さんで見た事なかったなぁ」
住人 「それで一目ぼれして以来、時計草にハマってしまって」
未空 「コレはハマりますよね」
住人 「でも、好き嫌いが分かれるみたいで、複雑すぎて嫌だという人もいるんですよ」
未空 「えーっ、そうなんですか。ただひたすら美しいと思いましたけど」
住人 「私もそうですよ。これは白だけど、向こうには紫が咲いてるの」
未空 「あっ、これまた見事だわ。うわーっ、綺麗だなぁ。ホント不思議だなぁ」
住人 「白と紫は強いので、外に出しておいても大丈夫なんですけど、赤は弱いの」
未空 「赤もあるんですか?」
住人 「家の3Fにあるけど、綺麗ですよ」
未空 「でしょうね。見ていて飽きないですもん」
住人 「この家は7年前に建て替えたんですけど、前の家は壁中、時計草が這ってて」
未空 「そうだったんですか。それはそれは綺麗だったでしょうね」
住人 「ええ、毎年楽しみに見に来る方もいらして、時計草の家って呼ばれてたんですよ」
未空 「時計草の家ですか。ステキな呼び名ですね。うらやましいなぁ」
コーフン覚めやらぬ時計草談議は続く・・・