今あるものを活かす~小さな町の挑戦~

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徳島県の上勝町で、2つの教育講演をしました。

上勝町は人情味あふれる活発な町でした。

実はこの町、徳島市から路線バスで1時間50分かかる山奥にありながら、
人口の2倍以上の視察者・研究者が、世界中(26ヶ国)から毎年訪れています。

わずか1日の滞在でしたが、この町の姿勢に、
個人としても学べることがいくつもありました。

そのうちの1つを今日は、ご紹介しましょう。

その1つとは、葉っぱをお金に変えるビジネスです。

といっても、皆さんに同じようなビジネスを薦めるのではありません。

要は、その姿勢から何かを学んでほしいのです。

では、なぜ、どのように葉っぱが始まったのか?

といいいますと・・・

上勝町は、平地がほとんどなく、しかも高齢化が進んでいます。

町に高校はなく、若者は都会に仕事を求めて帰って来ません。

基幹産業である農林家は、1960年代から輸入木材の増加と
ミカンの生産過剰による影響で値段が下がり、低迷。

農林家の生活は、ますます苦しくなっていました。

そういうマイナス状況の中で、何とかこの町らしい活性化ができないかと、

当時、農協職員であった横石知二さんが、1986年に「つまもの」を考案しました。

周りは山ばかりなので、きれいな葉っぱは、いくらでもあります。

野山から採って来たその葉っぱを「つまもの」として、
全国の料亭や温泉旅館へ出荷しようというのです。

初めは、町民の多くから反対があり、協力者はほとんどいませんでした。

「まさか、葉っぱなんかが売れるもんか」と・・・

実際やってみても、売れ行きは良くありません。

しかし、横石さん達は料亭やホテルに足を運んで、
そのニーズに合わせて商品の改良を重ね、
高齢者でもわかる作業手順を工夫していきます。

そして、葉っぱといえども、料理を美しく彩るものであることから、
商品名も「彩(いろどり)」と改名し、地道な営業努力を続けました。

その結果、次第に、全国各地から注文がくるようになったのです。

今や驚くことに、全国の80%の「つまもの」がこの小さな町から出荷。

1986年には年間販売額117万円でスタートした事業が、
現在は年間2億6千万円を上げ、町を救う産業となっています。

この事業の成功には、他にも次のような副産物が生まれました。

1. 高齢者に働く意欲と自信が生まれた。
  (70歳を超える高齢者も、若者に頼ることなく、
   一人一人が経営者意識と競争意識を持って取り組んでいます)
   おばあちゃんが自宅のパソコンを駆使、
   更に自発的に新たな商品を開発するなど積極的です)

2. 高齢者約1000人に笑顔が生まれ、元気になってきた。
  (2005年1月の統計では、寝たきり老人、わずか1名)

3. 町全体に活気が出てきた。
  (以下は副産物というより、同時に推進されてきたことですが・・・)

●全てのゴミは資源であるという発想から、
  全国初の「ゴミゼロ宣言」「ゼロウェイスト宣言」を実践

●住民一人ひとりが町について疑問を(1Q)を持ち、
  一休さんのように知恵を出し合いながら、町全体を
  明るい夢で彩っていく「1Q(いっきゅう)運動」の推進

●第3セクターによる地域資源を活かした産業おこし

●上勝アートプロジェクト~里山の彩生~

山の中にできたこの芸術作品は、住民の協力でできたものです。
http://www.kamikatsu.jp/satoyama/kamikatsu/top.htm

など、など・・・

そのため、人口約2000人の2倍以上の視察者が世界中から訪れる

「一人当たりの視察者が世界で一番多い町」となっているのです。

今も、この上勝町は、笠松和市町長をリーダーとして
世界に元気を与える「持続可能な地域社会」を目指しています。

本当に善いものなら、持続できる!

本当に美しいものなら、持続できる!

「真・善・美」を合言葉に、上勝町の挑戦は続いています。

この町に教育講演に招かれた私はこの町を見て、
この町の人々に逆に教えていただいたような気がしています。

新しいアイディアを出し工夫を重ね、
 
努力を続けていくことで、
 
現状はさらに良くなっていくこと。

それは、町だけでなく、個人もそうなのだと思います。

現状を悲観する前に、活かせるものを探しましょう。

葉っぱでも、ゴミでも活かせるのですから、
 
私達自身を活かせないわけがありません。

★あなたが幸運になれるヒント★

今、自分が持っているものを活かそう。

70歳を超えても、何か新しいことができます。

出典:「持続可能なまちは小さく、美しい(笠松和市著:佐藤由美著)」
http://tinyurl.com/3kvg9t

この町に行って、本当に良かったです!

ちなみに、この温泉もおすすめ  http://www1.quolia.ne.jp/~moon/

/中井 俊已(作家、教育コンサルタント)
 メルマガ「心の糧・きっとよくなる!いい言葉」より引用
20080619
♪これも「つまもの」として、活かせるんだろうか(笑)? 幸せになるという四つ葉のクローバーに、水生があるなんて今まで知らなかったよ。夕方になると葉っぱを閉じて、朝になると、ちゃ~んと開くから不思議だよね。

ナマ拳、その他のスケジュールはこちら

たった一言でもいいので、コメント下さいね。

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