続・ユダの福音書
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イエス・キリストには十二使徒と呼ばれる弟子がいたんだから、それぞれの
福音書があっていいと思ってたら、やはりそうだった。新約聖書外伝には、
聖母マリアを中心に描く「ヤコブによる福音書」、ユング心理学で一躍有名
になった「グノーシス派」関連の「トマスによる福音書」を始め、「ナザレ人に
よる福音書」「ヘブル人による福音書」「エジプト人による福音書」等、多数
の福音書が残されているとか。マグダラのマリアの福音書まであるんだって。
うーん、ユダ以上に興味有り(笑)。
裏切り者として全世界に有名になってしまったユダだが、裏切ったのはユダ
だけじゃないでしょ。一度は使徒全員が裏切ったんだから。でも、ユダは
多くの「最後の晩餐」を描いた絵で、1人だけ頭に光冠が描かれなかったり、
1人だけ机の反対側に座っていたり、衣は黄色の場合が多い、といった
露骨な差別を受けてるんだよね(泣)。
それでは、ユダは最後どうなったのか?
① イスカリオテのユダはイエスの死刑判決を聞いた後、「私は無実の血を
売った」と叫んで、祭司達に金を返そうとするが、「それはお前の問題だ。
我々の知った事ではない」と冷たく一蹴された。彼は師を売って得た金
をカヤパの公邸の庭に投げ捨て、城壁の外に出て首を吊って死んだ
② ユダがイエスを売って得た銀30枚で土地を買ったが、真っ逆さまに落ちて、
内臓が全部飛び出して死んだ
でも、銀30枚で土地を買えたかどうかは疑問らしい。今の日本円にしていくら
ぐらいなんだろう? ユダの死には2つの説があり、要はイエスを売り渡した
後の消息は不明なのだ。真実はどこに?
もし、ユダが本当にイエスを裏切っていたとしたら、「人は皆ユダになりうる」と
いう教訓なんだと思う。美老庵・師匠の言う「人間は複雑な多面体」だからだ。
いつ、どこで、何をしでかすかわからない、制御不能の魔物ともいえる。最近
のおぞましいニュースを見聞きする度、そう痛感させられるのは私だけではな
いだろう。人間は良い事をしながら、悪い事もする。その逆も然り。
そして、常に変化していく・・・