はたして、この酒を並べて人々がドキドキしながら物影に隠れていると、
セクメト女神がやって来て、イイ匂いのする赤い液体を眺め始めた。どう
やら、気に入ったようだ。あっ、飲み始めた。スゴイです。メチャメチャ
飲んでます。大酒豪です。何かちょっとフラついてきた。イケるかも？
おーっ、うわぁ・・・　セクメト女神は酔っ払って寝てしまった。作戦成功！

神々は大急ぎでセクメトを回収して、一部力を封印する。具体的にどうや
ったのかはナゾだが、人間抹殺プログラムを消したものと思われる。こう
して闘争本能を抑えられたセクメト女神は大人しくなり、以後は暴れる事
はなかった。というのが一般的な神話だが、もう1つあまり知られていない
神話で、再びブチ切れてしまい、ラーに逆らって逃亡したという話がある。

この時も連れ戻すのは大変だったらしい。何でも国境を越えて、南のヌビア
に行っちゃったとかで。「どーするよ？　隣国で大暴れしたら国際問題っスよ。
ってゆーか、強制連行はできるんですか？」と神々は大騒ぎ。そこへヘジュ・
ウル（後にトトに吸収される知恵の神）とオヌリス（名前は似ているが、オシ
リスとは別人。戦いの神）が、セクメトを連れ戻せとの勅命を受けて旅立っ
たそうな。

知恵の神と戦いの神で、最高神の密名を受けて、外国へ旅立つ辺り、何か
ドラマがありそうな雰囲気だが、具体的にどうやって連れ戻したのかはナゾ。

強制送還されてからのセクメト女神は、わりと大人しく結婚などして、平和
に主婦をやっているとか。そして、この事件の責任を取って、ラーは神々の
王の座を辞任し、引退する事を決めた。事実上、不信任可決で追い出され
た感じなのだが、人間世界を治めるのが相当イヤんなっちゃったらしい。

こうしてラーのいなくなった後、オシリスがその座を継いで、人間界を治め
るようになるのだが、オシリスの王座を奪おうとする弟・セトの陰謀とホル
スの王座奪還物語は、また別の機会に・・・

以上、「女神セクメト物語」どした。ベベンベンベン（笑）

♪氏神様へと続く道から眺める桜は、一気に咲いて満開になり、すでに宴会組で盛り上がっていた。ウチの近所には結構、桜の花道が多くて、お散歩が楽しいんだよね。今週末までもつかなぁ。ちょっと心配・・・