E.T
ジモティにO軒という古~い・・・いや、老舗の中華屋がある。いわば町の
巨匠(?)だ。ここO軒の夫婦は、揃って熱烈な巨人軍ファンである以外は、
妖怪人間 or アンドロイドだと思う。この説に☆☆☆ですっ。その最大の
理由は、決して歳を取らない事。顔が創業当時のままを保っているのだ。
といってもO軒がいつ創業されたかは、誰も知らないし、興味もない。まして、
そんな事を知っていても、郷土歴史家になれる見込みはない。が、そんな
事にはお構いなく、三角巾の似合う奥さんはノーメイクで、いつも顔がテカ
っている。お肌スベスベで、ナイトクリーム代わりにラードを塗っているに
違いないわ、と“家政婦は見た”の市原悦子なら言うはず。全くカンケー
ないが、市原悦子は日本のミザリーことキャシー・ベイツだと思う。
そして、オヤジは店に客が入って来ると、ほぼ同時に「いしゃせっつー」と
いうアンドロイド言語特有の呪文をつぶやく。だが、最後の「つー」という
部分は息が抜け、ほとんど聞き取れないのが現状だ。このオヤジの呪文
は聞き取れるのに、なぜTOEICのリスニングにはあれほど弱いのか?
自己分析の結果、私の耳は♪ソラミミ~アワ~のみに適合しているとしか
思えない。いずれにしても、聴覚気管の特異性を際立たせる実例であろう。
この役立たずの耳のおかげで、どれほどSan Diegoで悔しい思いをしたか。
ちなみに、この「いしゃせっつー」は日本語に訳すと、「いらっしゃいませ」
の変形と思われる。だが、確認する術はない。
ところ変わって、高円寺のこれまた古~い・・・いや、老舗の定食屋に異種(?)
夫婦がいる。というのも、オヤジがロバで、妻がヨーダなのだ。もう緑の服
を着た暁にゃ~、私のアタマの中ではスターウォーズのテーマが最大ボリ
ュームで鳴り響く。となると、彼女の持つ菜箸はフォースにしか見えない。
だが、賢者にはほど遠く、客の前でもロバを相手に小競り合いをするよーだ。
この店は席がカウンターしかないので、見たくなくても目に入ってくる。結果、
どちらも言いたい事だけ言って、常連客に同意を求めるというパターンが判
明した。それとヨーダは、ストレス発散のため、時にクッキーモンスターに変
身し、牛乳もよく飲むよーだ・・・ というワケで、夫婦仲良く、フォースの
智慧に学んでほしいと切に願っている。
食べ物屋には強烈なキャラ系が多いのか、たまたま私が遭遇してるだけな
のかは不明だが、これからも類い稀なる聴覚気管を武器に、個性に満ち満
ちたE.T観察を続けたいと思う。