続・超不遇時代
ハゲワシ社長がが新しい女性スタッフを入れる際には、自分
好みの若くて可愛い女の子を採用し、そうでない人は徹底的
にイジメ抜いた。PCを買いに行く時は、お気にの女の子と
デート気分でワクワクしながら秋葉に出かけ、実際にその
PCを使うスタッフの意見は完全無視。
私は必死にフォローし続けたが、この社長の態度が原因で、
3ヶ月毎に正社員が辞めていく現実。「お世話になりました」と
スタッフの女性が言っても、社長は無言でPCを打ち続けている。
私は彼女をドアの所まで送りに行き、「今まで本当にありが
とうございました。どうか元気でいて下さい」と深々と頭を
下げた。それを言うのが精一杯で、送別会もしてあげられ
ない無力な自分を責めた。
挙句には、私の教育が悪い、新人をイビっているとまで陰口
を叩かれ、手柄は社長のおかげ、失敗は私のせい。本社に
は全てそう報告され、社内の現実を全く知らない本社の人達
には、私という人材は全くの期待はずれで、無能のレッテル
を貼られていった。
そして、一向に業績が上がらない現実に、社長は「未空さん
はね、本社でみんなから嫌われてるから、こっちに送られて
来たんだよ。そんな事も知らなかったの? 未空さんがいな
くなって、みんな大喜びしてるよ。こっちもさ、仕事のでき
ない30過ぎの女なんていらないからね。これからどうする
つもり?」と聞かれるようになった。
要は私が邪魔で、追い出したいだけなのだ。毎朝、歯を磨きながら、
この社長の事を考えただけで、吐き気が止まらなくなっていった。
自然に涙があふれてきて、心も体も何もかもが限界だった・・・