友人「突発性難聴」なう
友人が苦しそうな顔をして、左耳を押さえながら歩いて来た。
「ねぇ、未空ちゃん、左耳が急にキーンって音がして聞こえづらくなったの」
「えっ、どれくらい経つの?」
「10日ぐらいかな」
「それは突発性難聴だから、今すぐ病院に行った方がいいよ。一刻を争うから」
「えっ、本当? 耳鳴りとかじゃないの?」
「突然なったんでしょ? とにかく早く耳鼻科に行って!」
「うん、わかった。そんなに言うなら、行ってみる」
「絶対そうして!」
数時間後、ガックリ肩を落とした彼女が帰って来た。
「未空ちゃんが言った通り、突発性難聴だって」
「やっぱりね。10日って聞いたから心配だったの」
「耳鳴りがしてすぐだったら、薬を飲んで治療するんだけど、ここではどうする事もできないって・・・」
「そうなんだ。大学病院に行きなさいって言われた?」
「うん。もしかしたら点滴治療かもしれないけど、手術の可能性もあるって」
「だから、一刻を争うんだよね」
「お医者さんも同じ事を言ってたよ」
「でも、まだ手術をしなきゃならないって決まった訳じゃないから」
「耳が聞こえなくなるなんて信じられない。どうしてこんな事になるんだろう」
「治療法はいくらでもあるから、大丈夫だよ」
「本当? 手術なんて、聞いただけで怖くて怖くて・・・」
未空母は20年以上、手話を習っていたので、私は突発性難聴という病気は、
かなり前から知っていた。とにかく耳鳴りがしたら、すぐ耳鼻科に行く事!
それだけは口酸っぱく言われ続けていた。そのまま放置しておくと、これ
がきっかけとなって、耳が聞こえなくなる事があるので、一刻を争うのだ。
この友人の一件があり、Netで調べてみた。そもそも「突発性難聴」とは?
音のセンサーであり、音波の振動エネルギーを電気信号に変換する内耳が、
突然障害を受ける事により、高度の難聴をきたす病気だ。原因としては
ウィルス感染説、循環障害説など諸説があるが、実際には、様々な病因
による内耳障害が突発性難聴という「症候群」の中に含まれていると
考えられている。
急性高度感音難聴のうち、メニエール病や外リンパ瘻、聴神経腫瘍など、
明らかな他の疾患によるものを突発難聴と呼び、原因の明らかでない
場合だけを真の「突発性難聴」と呼んで区別する事もあるとか。
事態は深刻で、その後、彼女は紹介状を持って、大学病院に行った・・・