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「ある男性のMailより」

 この歳になって自分の人生って何だったのだろうと思っていますよ。

 僕は僕なりに一生懸命生きてきたつもりです。

 ちょうどバブルの時期と重なって、会社のため、昇進のため、

 寝る間も惜しんで働いてきました。

 実は、何も見えていなかったと思うようになったのは、

 定年を控えたつい最近のことです。

 人は死して何を残せるのでしょう。

 確かに、子供達は成人しましたし、

 今の時代はまだ、年金も保証されていますので

 それなりに安定した老後が送れると思います。

 そこそこのステータスも有ります。

 でも、それが何になるのでしょう。

 年金で生活し、若き日の、働き盛りの、僕自身を思い出しながら、

 静かに何も考えず、疑問を持たず人生を終われば良いのでしょうか。

 本当の僕がやりたかった事はなんだったのだろう、

 本当に人生を共にしたかったのは誰だったんだろう、と

 この頃毎日考えています。

 もしかしたら、道の途中で気がついても、

 気づかぬ振りで歩いてきたのではないだろうかと。

 まだ誰にも言っていませんが、

 定年になったら、退職金の半分は妻に残し、

 残り半分を持ってオーストラリアへ渡ろうかと思っています。

 一時単身赴任していたある町が忘れられないのです。

 そこには、いま、どうしているか、気になる人もいます。

 おかしいですね、こんな歳になってそんな事に気づくなんて。

 日本へ戻らず向こうに住めばよかったとのかも知れません。

 当時からうまくいっていなかった妻の居る、

 この家に帰ってこざるを得なかった事情がありました。

 永年連れ添った妻にも、やりたかった事は有ると思います。

 それぞれが、自分に合わないと気づきながら、

 永きにわたって刻んでこなくてはいけなかった人生って、

 いったい何なのでしょうね。

「私の敬愛するK先生から頂いたお手紙より」

 人は生きた分だけ解り、解かった分だけ生きる。

 人は一人で生まれ、一人で死んでいく。

 本質はとても切ない孤独な存在ですが、生きていく道では、

 人と手に手を取って助け、助けられしていくものです。

 よりよく生きるコツは、より沢山の心のネットワークを作っていくことです。

 どんどん輪を広げていって、苦楽を共にするネットワークを張りめぐらしていって下さい。

P.S K先生、心のこもった温かいお手紙をどうもありがとうございました。

  “空庵”の皆さん、一緒にステキなネットワークを作り上げていこうね。

  これからも末永~くよろしくお願いします。

ナマ拳、その他のスケジュールはこちら

たった一言でもいいので、コメント下さいね。

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