字謎(ズーミー)②

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ドイツ人のハイコに「刃威高」と名づけてから、すっかり漢字ブームとなり、
色~んな人が「私にもつけて」と頼みに来た。これには参った! 欧米人は
濁音の名前が多い。そもそも私はSan Diegoに漢和辞典を持って行かなか
ったので、考えるにしても自ずと限界がある。せっかくならこれを機に、漢字
という素晴らしい文化を世界中に伝え、1人1人にステキな名前をつけてあげ
たいじゃないか。気分はゴッドマザーだ(←ゴッドファーザーには「名づけ親」
という意味がある)。

San Diegoにいて英語で悩むより、漢字で悩む日々が続いたのは想定外だ
ったが、これはかなり英語の勉強にもなった。フランス人のNadineは「菜田」。
ちょっくらムリはあるが、説明する時には「rape blossoms field」と言うと、
「ワオーッ、素晴らしいわ。私の名前にそんな意味があったなんて!」と感動
してくれた。私が器用であれば、消しゴムでハンコでも作ってあげたいところ
なんだが・・・って、ナンシー関じゃないんだから(笑)。

ルームメイトのアメリカ人Jonは、昔L.Aで空手を習っていて、聞けば黒帯の
持ち主だった。ここがアメリカ人と日本人との考え方の違いなのかもしれな
いが、彼は黒帯を取ると空手をやめてしまった。つまり、黒帯は道場が開け
るという資格取得のためのツールなのだ。

日本人の私にとっては、黒帯はあくまで目標ではあっても、通過点に過ぎない。
これは太極拳でいう師範と同じだ。黒帯だから、師範だからこそ、より精進せ
ねばという気持ちになる。ここがスポーツと武道(←太極拳も元は武道だ)の
違いといってもいい。

スポーツは競技のために練習する。試合に勝つために練習し、試合の当日
に自分の体を特別なピークに持っていく。それによって普通ならできない事を
やる訳だから、それはそれで素晴らしい事だと思う。だが、特別なピークを
作るという事は、自分の心身にムリな状態を作る事にもなる。ある一定の期
間ならそれも通用するが、人間はいつまでもムリはきかない。だから、スポ
ーツ選手には、引退という時期が必ずやって来る。

それに対し武道は、その場その場において、最善である事が修行であり、
日々最善の状態でいられる事が武道の本義だ。強い弱いでなく、自己が
常に最善の状態でいられるという事、それが武道である、と私の尊敬す
る合気道の達人・塩田剛三(しおだ ごうぞう)先生は言っている。

彼の師匠であり、合気道の開祖・植芝盛平(うえしば もりへい)先生は、
いつも「合気道即生活」「歩く姿が武である」と説いていたそうだ。

さて、ブラックベルトのJonは、道場の名前をすでに考えていた。その名
前とは? この続きは明日ね。Don’t miss it(笑)
20050925

ナマ拳、その他のスケジュールはこちら

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