絵本「大きな森のおばあちゃん」
象が干ばつの時に、何千頭も集まって、森を目指して長い旅をします。
ところが、森の大きさと象の頭数がミスマッチで、その森に着いた象
達が木や草をムシャムシャ食べ始めると、たちまち森は丸裸になって
しまいます。そうすると象は飢え死にしますし、その森に住んでいる
色々な動物も一緒に死に絶えてしまいますから、間引こうじゃないか
という議論が湧き起こりました。
森林監視人や環境保護のメンバー達が、現場を調査しながら毎日
激論を交わしました。間引くというのは、年寄りから殺していく訳
ですが、目の前で両親を殺された子象達は、極めて強いトラウマ
ができ、まともに生きていく事ができなくなるという事で、結局、
間引く事は取り止めました。
そうして、何千頭もの象が森に辿り着いた訳です。最初、ムシャム
シャ草を食べ続けるのを見て、みんな森はなくなってしまうのでな
いかと心配しましたが、リーダーの雌象から1頭、更に1頭とその森
を離れ、干からびた川辺で、次々と死んでいきました。年老いた象
から順にその河に赴き、何百頭もの象が自ら死んでいったのです。
そのおかげで、森は滅びず守られて、そのうちに雨が降ってきて、
象達は無事に干ばつを生き延びました。
その後日談があるのです。何年か経って大雨が降り、死んだ象の
お腹にあった種がすごい勢いで繁殖しだし、その森がさらに大きく
育ったというのです。