ドキュメンタリー映画「Lattcho Drom」
PM4:00、広島出身の方から出張のご予約を頂いたのだが、この方が広島出身とは全く
知らなかった。高層ビルの立ち並ぶ西新宿は、夕方になっても灼熱地獄から抜け出せず、
2年振りに再会した今日が原爆の日のというのも、単なる偶然とはいえ、唯一の被爆国
である日本という国を意識せざるえない。おととい会った友人も広島は福山の出身。
この流れはまだ続きそうな気がする。
私の周りには、自分の前世はジプシーだと思う人がいて、今世ではベリーダンスや
フラメンコを踊ったり、様々なカードが得意だったりする。彼女達の共通項としては、
髪が黒くて長く、どこか神秘的。何より自由を愛し、束縛を極端に嫌う。そして、
小さい頃から「私は日本人ではない。日本が合わない」とハッキリ意識しており、
今でも放浪に憧れる。この方も該当事項が多い。
何かの話から、ダヴィンチ・コードに話題が移り、イエス・キリストとマグダラのマリア
の間に生まれた女の子が、サラという名前だったと言うと、「ジプシー最大のお祭りの
際に登場するのが女神サラですよ。ジプシーの映画をご存知ないですか?」と聞か
れた。そのタイトルこそが「Lattcho Drom」だった。
「ラッチョ・ドローム」とは、ロマ(ジプシー)の言葉で、「良い旅を」という意味だそうな。
日本公開は2001年、1993年にフランスで制作された103分のドキュメンタリー映画だ。
千年の時を旅に費やしてきたジプシーの一族「ロム」。一族はインドのラジャスタン
地方を旅立ち、トルコ、エジプト、ルーマニア、ハンガリー、スロバキア、フランスと
流浪の旅を続ける。
ルーマニアでの村人達と入り乱れての音楽演奏、スロバキアでのナチ虐殺へ
の鎮魂歌、世界最大のジプシーの祭りが行われるサント・マリ・ド・ラメールで
のフランスのロムの歌。そして、舞台はスペインへと移っていく。旅の一族・
ロム達の姿を多彩な音楽や舞踏を通して描いた壮大なドラマで、トニー・ガト
リフ監督が自らのルーツであるロマ(ジプシー)をテーマにした「ガッジョ・
ディーロ」「ベンゴ」を含む「ジプシー」3部作の第1作。私が全く知らない
分野の映画だ。
11世紀頃、ジプシーはいくつもの国境を超え、長い放浪の旅に出た。彼らは差別や
迫害に遭い、その苦しみを音楽と踊りで支えてきた誇り高き民族だ。独自の言葉
ロマ語を話し、文字よりも音楽で表現する事で、古くからの伝統を語り継いでいく。
「ラッチョ・ドローム」は、余計な注釈なしに音楽と映像を中心に淡々と描かれた
一編の詩のような美しい作品。流浪の民族ジプシーの魂の叫びが力強い音楽
と歌、踊りの中に煌く。セリフはほとんどなく、ただひたすら旅を続けるジプシー
の姿を15ヶ月間追い続ける。魂の叫びが体中からほとばしるような彼ら。
歌と音楽を通して民族の固い絆、生命の力強さと輝きを描き出した壮大なスケール
の音楽叙事詩。8ヶ国のミュージシャン達による音楽も要チェックで、中でもジプシー
音楽を代表するルーマニアのタラフ・ドゥ・ハイドゥークスの出演は世界の注目の的。
エジプトのザ・ミュージシャン・オブ・ザ・ナイル、スペインのラ・カイータら魂を揺さ
ぶる音楽と歌に身を委ねてみたい、とアマゾンの解説にある。
それにしても、ジプシーはインドが発祥地なの? サラってどんな女神なの?etc.
女神サラは、映画の中で熱狂的な祭りのシーンに登場するらしい。かーなーりそそ
られるなぁ。でも近所の文教堂には置いてないし、TSUTAYAは潰れて、和民になっ
ちゃったしぃ(笑)。それより何より、未空家のビデオデッキが壊れてますから、
残念っ! やっぱこれを機にDVD買おっかな。夏のボーナス払いで、ってボーナス
ないですから、残念っAgain(笑)