映画「剃刀の刃」

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ラリーは精神の道の求道者で、飽く事を知らない読書家だが、第1次世界大戦に徴兵され、
勉学から引き離されてしまった。その苦渋に満ちた体験の直後、彼はどうしても知りたい
と思っていた疑問への答えを見つけようと、インドへの巡礼に出た。

ラリーはヒマラヤ山系の頂上付近にある寺院に辿り着き、賢者の導師に出会った。「私は
生の秘密を知りたいのです」と彼は師に言った。「山の頂上にある小屋が見えるかね?」
と賢人は聞いた。ラリーの目が雪に覆われた頂上をじっと見つめ、山頂近くに差し掛け
小屋を見つけた。「自分の本を持ってあそこに行き、自分の答えが見つかるまでいなさい」。

ラリーは興奮して何巻もの本をまとめ、崩れそうな小屋に歩いて行き、そこで焚き火を
した。熱い思いで求めている答えを見つけようと、彼は一生懸命になって本を開いた。
今こそ彼が待っていた瞬間だった。ラリーは何日も読み続けた。そして何週間も。場面
が進むごとに、彼は寒さに凍え、更に欲求不満をためていく様子だった。

両頬の無精髭は顎髭となり、必死の努力にもかかわらず、ラリーは全く悟りに近づかず、
それどころかかつてないほど落胆している様子だった。ラリーは凍えていた。雪が降り、
骨の髄まで冷え込む風が唸り、小さな氷柱が口髭に下がる。早く何とかしないと、悟り
の探求は次の生へと持ち越されてしまう。炎は次第に小さくなり、もう薪もない。

その時、ラリーの目が手元の本から炎へとさ迷い、また本に戻った。その時突然、
真の理解が閃光のようにひらめき、彼の顔が輝いた。ラリーは本を2~3ページ破ると、
焚き火の中に投げ込んだ。炎が立ちのぼると、ラリーはその暖かさに喜んだ。そして
いたずらっ子のような微笑みが、彼の顔に広がる。彼は力強く立ち上がり、更にページ
を破いては燃え盛る火の中に投げ入れる。その微笑みは、クスクス笑いに変わり、吼え
るような笑いになった。

彼は勝ち誇ったように、その本を丸ごと勢いよく炎の中に投げ入れた。ラリーは残りの
本も集めて、暖をとる燃料に変えてしまった。遠くから輝かしいオレンジ色の光に抱か
れて、暗くなっていく山頂に立つラリーの影が見える。

翌朝、ラリーは勝利の行進で下山し、ベースキャンプに行った。彼は幸福だった。ラリー
は自分の答えを見つけたのだ。それは、本の中にはなかった。彼の答えは「生きる」事
だった。「生をその瞬間、満たされたものにし、喜びにあふれたものにするために、
必要な事は何でもする」という事だったのだ。

悟りは、言葉や寒さや苦しみに逃げる中からは見つけられなかった。答えは、どこか外
にある訳ではなかった。彼がいる、まさにその場所にあった。そして、彼はいつも持って
いたのだ!
20050506
♪GW中のランチ えっ、こんな所に、こんなお店が?! ちょっとゼータクな午後のひととき。シアワセ・・・

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